私たちはついつい、「犯罪とは暗いときに起こるものだ」「犯罪は夜中に起きるものだ」と考えてしまいがちです。
しかしこれは大きな間違い。
実は、「明るい時間帯」にも危険は偲んでいるのです。
たしかに「凶悪犯罪」は夜に多いけれど…
私たちが、「犯罪がよく起こるのは暗いうちだ」「子どもには暗くならないうちに早く帰るように、と言い聞かせている」というのは、「凶悪犯罪が夜に起こるものだからだ」ということもあるのでしょう。
たとえば、殺人。
平成26年度の犯罪のなかでは、殺人事件が起こった時間帯のなかでもっとも多かったのは22時~24時です。
そして、「粗暴犯(傷害事件や脅迫事件など)」が起きやすい時間帯もこの時間帯です。
強盗事件については多くの人が寝静まる2時~4時が多いとされています。
ただ、だからといってこれらの時間以外ならば安心、ということはありません。
窃盗とわいせつ
子どもや女性がターゲットになることもある「窃盗」と「強制わいせつ」という犯罪になると、頻出する時間がまったく異なってきます。
たとえば、「窃盗」。
この犯罪の場合は、16時~18時までという、子どもがまだまだ外で遊んでいるような時間にもっとも多く発生しています。2番目に多い時間帯は、なんと14時~16時。窃盗は10時~18時までに集中して起きる犯罪であり、昼間こそ危険だと言えます。
強制わいせつと公然わいせつを含む「わいせつ 」の場合は、22時~24時くらいに起こりやすいと言われています。ただ、16時台から徐々に増え始める犯罪ですから、決して安心はできません。
強姦事件も19時~21時がピークであることを考えれば、決して「遅くなければ安全である」とは言えないことが分かるでしょう。
ちなみに、痴漢事件は朝の7時~9時台に集中していますが、これは朝の通勤ラッシュが関係しているのかもしれません。
これらは、まだ年若い10代が犯罪対象となることも珍しくありません。特に、強制わいせつの場合は、0歳~19歳までの総の被害者が全体の44パーセントを占めています。
子どもを守るためにも、「昼間から防犯意識を持つこと」を教える必要があるでしょう。
まとめ
・凶悪な犯罪は夜間に起こることが多い
・しかし、窃盗やわいせつなどは、早い時間でも起こりうる
・特に、わいせつ事件はまだ年若い子どもが犠牲になることも多い
・早い時間でも安心せず、防犯意識を持つように伝える必要がある