厚生労働省では妊娠している女性が安全に子どもを産み育てられる社会作りを行う為に、2006年からマタニティマークの配布を行っています。
特に妊娠初期の方は周囲から見分けがつかないため、気苦労をされる方がいると聞きます。
しかし、自然災害は身体的な問題を問わず襲ってくる厄介な存在で、周囲の人々によるサポートが非常に大切になってきます。
今回は妊婦を示すマタニティマークの他に、外見からは見分けがつかない義足などを身に着ける人が用いるヘルプマークなどの災害時に心づかいをしたい方のマークを紹介します。
マタニティマークとは
妊婦を守るためのマーク
2006年から配布が行われている厚生労働省が推進するマークで、妊娠した方とお腹の中にいる子どもを守るために配慮が必要であることを示しています。
例えば「電車などのなかで周囲の人に押しつぶされないように配慮」したり、「公共の場で喫煙を控てもらう」という目的があります。
災害時は避難所などで集団生活を行いますが、おなかにいる赤ちゃんが健やかに生まれてくるようにするために、周囲の方々もお母さんが安心して過ごせる環境作りに協力するようにしましょう。
ヘルプマークとは
見た目で分かり難い身体の問題を抱えた人を助けるマーク
身体に障害を持つ方には、一目で生活が大変だと分かる方だけでなく目立たない義足を用いている人やペースメーカーのような埋め込み式の医療機器を用いている方もいます。
東京都福祉保健局では妊婦や見た目では分かり難い障害を持つ方々を援助しやすくするために、ヘルプマークというものを2012年10月から配布しています。
これを付けている方を見かけたら電車の席を譲るといった心遣いを出来るようにしたいですね。
災害時は避難する為に助けが必要な方もおり、見かけたら避難所まで連れていくといった配慮が出来ると良いでしょう。
聴覚障害者標識とは
自動車などへの表記が義務
聴覚障害者標識とは聴覚障害であっても条件付きで車の免許を交付された方が車両に表示する事が義務付けられているマークです。
道路交通法によって、このマークが付いている車への危険防止のためやむを得ない場合を除く幅寄せや割り込みは罰則対象になるので注意が必要です。
災害時にこのマークを付けた車から降りて来た人を見かけたら、周囲の状況が耳では全く聞けておらず、迫る危険に対して無防備な可能性があります。
死角から声を掛けようと触ると相手を驚かせてしまうので、前に回り込んでから身ぶり手振りも交えつつ一緒に避難するよう伝えましょう。
その他のマーク
国際標準のマークを紹介
身体的な問題などで日常からサポートが必要とされる方がいる中で、社会では様々なマークが助け合いを勧める為に用いられています。
例えば、障害者が利用可能なバリアフリー設備が整った建物には車いすに乗った人が描かれた青い看板を見かけますが、これは「障害者のための国際シンボルマーク」というもので、様々な障害者に対して配慮がされている建物などに表示されています。
災害時に避難する場所でこのマークを表記している場所があれば、優先的に障害を持つ方々に利用して頂ければ良いですね。
一緒に避難する人も、安心して避難生活が送れるように配慮しましょう。
もう一つの国際的なマークとして「盲人のための国際シンボルマーク」があります。
こちらは白い杖を持った歩く人が描かれた青いマークで、目が見えない人の為に配慮された施設などに表記されています。
白い杖は目が見えない方が周囲の安全を確認する為に持ってますが、それで危険を知るには目が見える人より困難が伴い、災害時は周囲の人々が危険を避けるようにサポートする必要があります。
このマークが表記されている施設では、目が見えない人が安全に利用する為の配慮がされており、安心して避難させられます。
健康な人でも災害時には非常に苦しい思いをしながら、災害からの復興へ向けて避難生活を過ごしますが、身体が不自由な人はより辛い立場に置かれている事が多々あります。
家族は勿論、近所の方や被災した場所で困っている方を見かけたときに、助け合っていけるようにしたいですね。
まとめ
・災害時には普段以上に身体的に不自由な方々への配慮が必要
・国や自治体が出している助けが必要な方のマークを知っておこう
・バリアフリー設備の整った建物を示すマークを知っておこう
参考サイト
◆障害者に関するマークについて「内閣府」
◆マタニティマークについて「厚生労働省」
◆ヘルプマーク「東京都福祉保健局」
◆自動車の運転者が表示する標識(マーク)について「警視庁」