今日9月30日は秋の全国交通安全運動最終日で「交通事故死ゼロを目指す日」です。
痛ましい「交通事故」は、毎日のように起こっています。少なくない方の命が奪われるこの交通事故を、「統計」という観点から見てみましょう。
死亡者の割合と年齢層
「高齢者が犠牲になる事故が増えている」という言葉は、多くの人が一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
実はこれは、ある一面から見ると正しくないことがわかります。
死亡者の累計数は平成2年から徐々に減少傾向にあります。
また、高齢者(65歳以上)が被害にあう例も、65歳以上は平成7年を頂点として、多少の増減はあるものの、全体的に減少傾向にあります。「交通戦争」と呼ばれてから久しい現在ですが、日本の「交通事故による死亡者数」は確実に少なくなってきており、取り返しのつかない状態に陥る被害者数が減っていっていることがわかります。
ただ、高齢者の死亡者数は交通事故全体の死亡者数の半分以上となっています。また、「75歳以上」というくくりでみることもできますがこちらは36.1パーセントとなっており、「高齢の方ほど、交通事故の被害者となったときに亡くなりやすいこと」がわかっています。
事故にあったとき、15歳以下の被害者の致死率はわずか0.18パーセントですが、75歳以上の場合は3.83パーセントとなっていることからもそれがわかるでしょう。
また、高齢者の方の場合、歩行中に交通事故にあうことが多いのも特徴です。
若者の事故と致死率
テレビなどを見ていると、しばしば、「若者の痛ましい事故」が取り上げられます。確かに平成2年の段階では3000人を超える死亡者が出ていました。しかしこれは徐々に減少傾向にあり、現在では10分の1程度にまで減っています。
もっともこれらの比較は、単純な「数字上だけの比較」で語れるものではありません。25年の間に平均寿命も延び、高齢者の数が増えたということも多分にあるでしょう。
交通事故の被害者となることは、単純に「生命を奪われるかもしれない」ということだけにとどまりません。命が助かったとしても重い後遺症に悩まされることもありますし、精神的な外傷を抱えることもあるでしょう。また、体と心は無事であっても、金銭的な被害や煩雑な手続きなどで時間的な被害を受けてしまうこともあるかもしれません。
交通事故の被害者とならないためには、「反射材のついた服装やアイテムを身に着ける」「歩行者(自転車)のときにも交通ルールをしっかり守る」などの対策が必要です。
まとめ
・交通事故の死亡者数は年々減少傾向にある
・高齢者は事故にあったときの致死率が高い
・若者の死亡者数は減っていっている
・反射材をつけたり、交通ルールを遵守することが、歩行者側にも求められる