避難をするときは、急いで逃げなければ!という気持ちが湧き上がるものです。ところが、逃げている最中に転んでしまうと、ケガをしたり逃げ遅れたりするリスクが上がります。安全に避難をするためには、転倒防止に努めることも重要ですね。
今回は、避難時の転倒防止策についてお伝えします。避難訓練のときに実践するなどして、身につけてきませんか。
導線を確保しておく
避難経路上に物が散乱すると、転倒のリスクを高めます。窓やドアなど出入口の付近や避難経路上には物を置かず、いざというときのために導線を確保しておきましょう。
導線は思わぬ落下物によって塞がれることもあります。タンスや棚の上など、落ちやすい場所に物を置かないようにすることも心がけましょう。
動きやすい服装を心がける
普段の生活の中でも、動きにくい服装をしている時は体の可動域が狭まったり、素早い行動がとれなかったりしますよね。それは避難をするときも同じです。できる限り動きやすい服装で逃げるようにしましょう。特に履物には注意が必要です。スリッパ・サンダル・ハイヒールなどは脱げやすく安定性に欠けるため、転倒のリスクを高めます。スニーカーなど履き慣れた靴を履くようにしましょう。豪雨災害のときは長靴がよいイメージがありますが、靴の中に水が入って重たくなり、思うように動けなくなったり転んだりするリスクを高めます。やはりスニーカーを選ぶようにしましょう。
避難に必要な靴は、いざというときにすぐに履ける状態にしておきます。棚や箱の中にしまうのではなく、すぐに手が届く位置に置いておくことがポイントです。
非常用持出袋は背負うタイプがよい
転倒を防止するためには、非常用持出袋の形にもこだわってみましょう。斜めかけのショルダーバッグなどは重心が片方にかかるため、バランスを崩す原因になることがあります。避難には、重心が両肩に均等にかかるリュックサックがおすすめです。
リュックサックには、両手が自由に使えるというメリットがあります。転倒したときに手を使って受身をとることができるので、もしもの時のケガのリスクを最小限にすることにもつながります。
焦らず落ち着いた行動を心がける
避難時の焦りは禁物です。焦りは正確な判断を妨げるほか、気持ちばかりが先走って体が追い付かないなど転倒のリスクにつながる行動をもたらします。焦るのではなく、「落ち着いて素早く行動する」ことを心がけましょう。
集団で逃げるときは、とくに落ち着いた行動が求められます。誰かが転倒すると、将棋倒しなどが発生し、被害が拡大する可能性があるからです。足元に注意するとともに、周囲の人を押したりすることがないようにしてください。
いざというときに落ち着いて行動するためには、慣れることも必要です。避難訓練などに参加し、「万が一のときにどのように行動するべきか」ということをシミュレートしておくとよいでしょう。
まとめ
・避難経路上にはつまずきやすい物を置かない
・動きやすい服や履物を心がける
・非常用持出袋は背負うタイプがおすすめ
・焦らず、落ち着いた行動を心がける
・避難訓練などに参加し、いざという時の行動に慣れておこう