子連れでの避難は、非常に難易度が高いものです。事前にシミュレーションをしていたとしても、実際にその場に立った時にはうまく動けなくなる人も多くいます。
しかしそれでも、事前にシミュレーションをしておくことは、危機管理上非常に有用です。
「子連れでの避難のときの持ち物」についてはこちらで述べたので、ここでは、「どのタイミングで避難するか」「避難場所の確保」について取り上げていきます。
どのタイミングで避難するか? その答えについて
日本では、「災害時の警戒レベル」という考え方があります。これは自治体などから発信されるもので、避難の目安となるものです。
これは5段階あり、
警戒レベル1.注意情報が流される
警戒レベル2.大雨や洪水、高潮への注意報が出される
警戒レベル3.高齢者等避難の情報が流される
警戒レベル4.避難指示が出される
警戒レベル5.緊急安全確保が求められる
です。
一般の成人ならば、警戒レベル4で避難すれば間に合うかもしれません。
しかし乳幼児やご高齢の方を抱えている家庭の場合は、警戒レベル3の段階で避難を開始しなければなりません。
子連れでの避難は、大人だけの避難よりもずっと時間がかかります。早めに移動を開始してください。
避難場所の確保
子連れのときに困るのが、「避難場所の確保」でしょう。
子どもは大人とは異なり、感情や欲求をコントロールできません。いつもとは違う雰囲気の避難所に困惑して不安がったり、お腹が減っているのになかなかご飯にならないと泣き叫んだりする可能性は十分にあり得ます。
また子どもを連れている親の方も、「授乳スペースが確保しにくい」「騒がしくて子どもが寝付けない」と悩むこともあるでしょう。さらに、周りの人も、「子どもの泣き声がうるさい」「体調が悪く精神も不安定なのに、子どもの泣き叫ぶ声がずっと続いている」ということでストレスを感じることもあるかもしれません。
そのため、子連れでの避難の場合、「避難場所」を事前に考えておく必要があります。
たとえば、ホテルです。
安全性の高いホテルに早めに避難して、個室を確保するのはひとつの選択肢です。
また、地震のときなどは原則として車での避難は避けるべきだとされてきましたが、小さな子ども連れでは車でしか避難できないこともあるでしょう。その場合は、車を避難場所とすることも考慮に入れるべきでしょう。
避難所での生活を選ぶのであれば、早めに避難所に着くようにしましょう。またその際は、子どもが遊べる遊具などがあるところに避難できればベターです。
まとめ
・子連れでの避難は、「警戒レベル3」の段階でスタートする
・子連れでの避難は、子どもにとっても親にとっても周囲の人にとっても負担が大きい
・避難場所は事前にシミュレーションをしておく。ホテル・車・避難所などの選択肢がある
参考サイト
◆たまひよ「コロナ禍の避難、防災のプロに聞いた、赤ちゃん・子連れの避難所ぐらし、知っておきたい3つのこと」
◆防災推進検討会議「自動車で安全かつ確実に避難できる方策」
◆内閣府「避難情報に関するガイドラインの改定(令和3年5月)」