よく「自分の命は自分で守ろう!」と言われています。では、具体的にどのようにすれば、自分の命を自分で守ることができるのでしょう。中には「避難所にも行くなというのか!」と、憤る方もいらっしゃいます。それだけ、命の守りからが分からない方が多いと言うことなのでしょう。そこで今回は、先のような誤解を解消するためにも、自分で自分の命を守る方法を解説しましょう。
ハザードマップで自宅の危険度を把握する
一番初めに行うことは、ハザードマップで自宅の危険度を把握することです。自宅が危険であれば、避難所に逃げなくてはなりません。避難所に避難する選択をした場合には、備蓄する量も、避難所に持っていけるリュック一つ分でよくなります。逆に、自宅に危険がない場合は、避難指示が発令されても自宅避難することができます。その際に必要な備蓄量は、リュック一つ分ではダメです。このように、自宅が危険であるか安全なのかで、災害時にとる行動が決まってきます。
洪水・土砂災害・津波・高潮・地震の各マップを確認する
確認するハザードマップは、一種類だけではダメです。洪水・土砂災害・地震は全国どの場所でも共通となります。沿岸部の方は、加えて津波・高潮のハザードマップを確認しましょう。ただし、地震ハザードマップでは予想震度が分かりますが、自宅が倒壊するのかまでは分かりません。耐震補強がされているのか、築年数は、など個別情報を把握する必要があります。ですが、地震はいつ起きるか分かりません。先ずは、何も倒れてこないスペースを、自宅の中に作っておくことが大切になります。
洪水ハザードマップでは、3m以上浸水するなら避難が必要
洪水ハザードマップを確認した際には、自宅が3m以上浸水するなら確実に避難する必要があります。黄色であれば浸水は0.5m未満なので、最悪床下浸水までです。ですから、避難しなくても大丈夫となります。0.5m~3.0mの肌色の場合は、最悪床上浸水で1階部分が浸水してしまいます。ただし、範囲が広いので0.6mで収まるケースもあるし、1mのケースもあります。避難所に逃げるかどうか悩みどころですが、最悪でも自宅の2階に垂直避難することが可能です。避難所に逃げないで、自宅2階に逃げる選択もありです。
土砂災害ハザードマップの警戒区域内は避難が必要
土砂災害ハザードマップを確認した際には、自宅が警戒区域に入っていれば、確実に早期避難する必要があります。大丈夫だろうとの、自己判断は絶対にしてはダメです。急傾斜地・土石流・地すべりなどの警戒区域は非常に正確です。できれば、警戒区域の境界線上に自宅がある方も、避難する方がよいでしょう。土砂災害は洪水よりも危険度が高いので、避難は確実に行う必要があります。
沿岸部では津波よりも高潮の発生頻度が多い
津波ハザードマップで津波の浸水がある場合は、大きな地震の揺れが収まったら高台に急いで避難する必要があります。また、ハザードマップには津波到達時間が記載されているので、その時間は確実に把握しておきましょう。また、避難先の高台へは平時に何回か歩いて、避難ルートを確認しておくことも重要です。高潮は台風や前線によって引き起こされるので、津波よりも頻度は高くなります。高潮警報が発表されたら、浸水域にある方は避難しましょう。
自分の命を守ると言うことは、災害から確実に逃げること
「自分の命は自分で守る!」と言うのは、災害が起きる状況を把握して、とにかく災害から逃げる!と言うことです。備蓄も当然重要なのですが、命が助かってこそ備蓄品を使うことができます。つまり、自分が助からないと、どのような災害対策をしていても意味がありません。自宅の危険度を知ることは、逃げるタイミングが分かると言うことにつながります。これなら大丈夫!と言える根拠を、しっかり把握することが重要なのです。また、勤務先の危険度も、同じように確認しておく必要があります。そして、どんな外出先でも避難所が分かるアプリをスマホに入れておくことも、命をまもる手段として有効です。危険を知る知識と危険から逃げるサポートをしてくれるアイテムなど、自分が助かるための手段はいくつあっても問題ありません。今一度、自宅や勤務先の危険度を各種ハザードマップで確認しておけば、自分で命を守ることができますよ。
まとめ
・命を守るには自宅の危険度を把握する
・洪水ハザードマップで3m以上の浸水は避難する
・土砂災害警戒区域内であれば確実に避難する
・自分の命を守るには、とにかく災害から逃げること