「30センチの水」というと、私たちは「大したことのないものだ」と考えてしまいます。
洪水や水害の報を受け手も、「これくらいならば逃げられる」と簡単に考えてしまいがちです。
しかしそれは大きな間違いです。
今回は、「水深」について考えていきましょう。
わずか30センチの水でも人の生活に支障が出る
「たった30センチの水」は、私たちの生活を簡単に危機に陥れます。
30センチの水深、車のブレーキのききが低下します。この段階ですでに車の移動をしなければならなくなります。場合によっては、地下街からの脱出が困難になります。
50センチは一つの目安となる数字です。
50センチの水深が見られた場合、車のエンジンはもう動くことができません。床上にまで浸水してしまうのがこの段階であり、避難が困難になってきます。子どもだけでなく大人でも避難が難しくなるため、ゴムボートなどでの救出が必要になることもあります。ちなみに、女性が逃げられるかどうかのラインがこの「50センチ」であると言われています。
50センチを超えると、さらに危険が増します。この段階に至ると、車は動かすことができないと考えるべきでしょう。それどころか、あの鉄の塊が水に浮くことすらあります。
現在はパワーウィンドの車が多いかと思われますが、場合によっては外に出ることも難しくなります。
避難に車を使おうと考える人もいるかもしれませんが、この段階では車ごとながされてしまうこともあります。
もっとも体力や力があるであろう成人男性であっても、70センチを超えると避難が難しくなります。
家にいるときの注意点
50センチ以下のときは、床下の浸水までで済むことがほとんどです。
50センチ以上になると床上浸水が見られ、1メートル~2メートルの水深で1階部分が浸水します。2メートル~5メートルで2階部分も浸水します。
このため、「2階にいれば絶対に安全」とまでは言い切ることはできません。しかし1階に比べてリスクが低いことはたしかです。50センチを越えた段階で、食料や貴重品を持って2階に避難するとよいでしょう。
避難道具も用意しておきます。動きやすい服装をしておきましょう。避難持ち出し袋はリュックサックに入れておくのが望ましく、運動靴も用意しておきます。
避難する際は足元に気を付けます。マンホールのふたが開いている可能性もあり、大変危険です。杖などで足元を確認しながら避難ができるとなおよいでしょう。
まとめ
・30センチ~50センチの水深でも、日常生活に支障が出る
・男性でも70センチを越えたら避難が難しくなる
・50センチで床上浸水、1~2メートルで1階部分が危険な場所にかわる
・2階に避難するだけでもリスクは下げられる
・避難持ち出し品はリュックにつめて、足元は運動靴。動きやすいhぐクでいるのが大切