災害が起きた時、そこから命を守るために出される「避難勧告」と「緊急指示」。この2つは、「似ている」「ほとんど同じものなんじゃないのか?」と感じる人もいるでしょう。
しかしこの2つには、明確な違いがあります。今回はそれについて見ていきましょう。
避難勧告と緊急指示は違うもの
避難勧告と緊急指示は、まったく違うものです。どちらもとても大切なものではありますが、その「緊急性」という意味で、この2つは意味が異なるのです。
避難勧告というのは、「災害が起きた。物だけでなく、人間に対しても被害が起きる可能性が高くなっている。だから、該当箇所に住んでいる人間は、そこから避難するようにすすめる」というものです。
対して、緊急指示というのは、「人間に被害が出る可能性がとても高い。もしくはすでに被害が発生しているので、速やかにそこから避難するように」というものです。
このため、「避難勧告」よりも「緊急指示」の方が緊急性が高く、迅速な行動が求められます。
避難勧告の場合は、「避難場所に移動を開始すること」が求められますが、緊急指示の場合は「そこからすぐに離れてください、もしそれが無理であるのなら、最低限、その場所で命を守れるように行動をしてください」というものです。
「避難準備」もある
もう一つ、「避難勧告」の下には、「避難準備」というものがあります。これは、「避難するための準備を今からしておいてください」というもので、「高齢者等避難開始」とも書かれます。
体にハンディキャップを抱える人や高齢者は、そうではない人と比べると、避難をすることに時間がかかります。そのため、早めに準備をして、いつでも動けるような状態を整えておかなければならないのです。
緊急性は低いものの、いつでも動けるようにしておかなければなりません。
これらの警告のおそろしいところは、「必ずしも段階を踏まない」ということです。
災害はいつも唐突に起こります。そのため、何の前触れもなく、いきなり「緊急指示」が出ることもあります。
このため、防災用品(非常持ち出し袋)はいつでも完璧な状態で用意しておく必要があります。
まとめ
・避難勧告と緊急指示は違うもの
・緊急指示の方が、緊急性は高く、危険である
・「避難勧告」の前に「避難準備」というものがある
・これらは段階的に出されるとは限らない