「避難所」は、私たちの命を守るために非常に重要な意味を持つ場所です。
ただ同時に、やはり「『いつもの生活』とは違う場所である」という事情もあります。
こんな避難所のなかで、乳幼児と過ごすためにはどのようなコツがあるのでしょうか?
授乳室はあるのか、母乳に代わるものは?
「静かな環境で授乳ができる授乳室を、避難所内に設けることは必要な配慮である」とされています。ただそれでも、「授乳室の環境が整えられていない」などの問題が生じる可能性はあります。
また、災害が起きた際はお母さんも非常に大きなストレスを抱えることになります。ストレスによって母乳が一時的にとまってしまったり、出にくくなったりすることがあります。「このような環境下では、子どもに十分な栄養を与えてあげられないかも……」と不安に思う人もいることでしょう。
母乳育児をしている人の場合は基本的には母乳で対応できるのがベストですが、非常時に備えてミルクを備えておくと安心です。
ミルクの管理について
ミルクの賞味期限は未開封の状態で1年程度、開封後は1か月程度です。
ミルクは、殺菌のためにも70度以上のお湯で梳かさなければなりません。「災害時でお湯が手に入りにくいから、水をカイロで温めて溶かす」などのような対応方法は、不適切なので行ってはいけません。
なお現在は液体のミルクも出ています。
液体のミルクは非常に便利なものであり、お湯がなくても飲ませることができます。ただしこれは一度開封してしまうと保存はできず、都度捨てる必要があります。また、液体のミルクは常温での保管が可能です。ただし「夏場で極めて暑い」などのような場合は、変質する可能性があります。
粉ミルク類は、非常時の災害救援物資として送られてくることもよくあります。
ただ乳幼児は1日に何度も授乳が必要なものですし、必要量も異なります。このため、乳幼児をお持ちのご家庭の場合は、災害時の持ち出し袋に粉ミルクを入れておくことを強くおすすめします。また、お湯を作るための卓上コンロを用意しておくのもよいでしょう。
まとめ
・現在は「避難所にも安心できる授乳室を」という働きかけがよく行われている
・普段から母乳で子どもを育てているのであれば、母乳で育てるのがベスト
・ただし、ストレスなどにさらされて母乳が出なくなったときのために、ミルクも用意しておくと良い
・粉ミルクの賞味期限は1年程度
・液体ミルクは便利だが、飲み残しの保管ができない