みなさんは赤ちゃんと一緒にいる時に災害が発生し、避難所に避難するということを想像したことがありますか?近年、自然災害による被害が多発しています。自然災害はいつ起こるのか、誰にも予測できません。いざという時に身を守る為にも、知識を深めることが大切です。
今回は、避難所で赤ちゃんと過ごす時の注意点をいくつかご紹介いたします。
避難所で赤ちゃんと一緒に過ごす時の注意点とは
自然災害はいつ起こるのか誰にも分かりません。場合によっては避難所に避難することもあるでしょう。もし赤ちゃんと一緒に避難所で過ごすことになる場合は、どのようなことに注意すればいいのでしょうか。
母乳について
赤ちゃんの授乳間隔には個人差がありますが、一般的に1日に8~12回程度だと言われています。避難所生活で気になるのは、赤ちゃんの栄養についてでしょう。
母乳が足りているかの目安は、尿と便の回数です。オムツの濡れによって1日に6回以上オムツ替えをするのであれば、母乳が足りていると言えます。
オムツ替えだけではなく、赤ちゃんの機嫌も注意深く見てみましょう。普段通り元気があれば問題ありませんが、もし様子がいつもと違う場合は医療スタッフに相談します。
母乳には栄養価が高いだけではなく、風邪や感染症等の感染リスクを減らすという効果があります。母乳育児をしている場合は、可能な限り母乳を与え続けた方がいいでしょう。
ですが、母親のストレスや疲労等様々な原因によって母乳の出が悪くなることがあります。日本栄養士会によると、その場合でも赤ちゃんにおっぱいを与え続けることによって、再び母乳が出る可能性があるそうです。頑張りすぎると母親にプレッシャーになることがあるので、母子ともに負担にならない程度に吸わせ続けましょう。
哺乳瓶や乳首がない時の対処法
避難所生活の中では、哺乳瓶や乳首がないことがあります。その場合は、紙コップやスプーン等で代用できます。ただし赤ちゃんが使うものなので、よく洗浄したり、消毒したり必ず清潔に保つようにしましょう。
コップで飲ませる場合は、赤ちゃんが眠くないことを確認します。そして縦抱きにして、赤ちゃんのペースに合わせて少量ずつゆっくり飲ませましょう。必要に応じて休憩をとり、飲まなくなったらミルクを与えるのを止めます。
お風呂に入れない状況で赤ちゃんの身体をきれいにする方法
避難所生活では満足にお風呂に入れなかったり、お尻ふきがなかったりすることがあります。この状況で赤ちゃんの身体をきれいに保つために必要なのは、少量のお湯と石けん、タオル2枚です。タオルがない場合は、ティッシュペーパーでも代用可能です。
身体を拭く時は、顔から手、胸やお腹というように上から順に拭いていき、お尻は最後に拭きましょう。石けんで体を洗う場合は、石けんが身体に残らないように濡らしたタオルやティッシュペーパーで繰り返し拭きます。全て終わったら乾いたタオルで赤ちゃんの身体を拭くといいでしょう。お湯が余っている時は、外陰部を洗い流します。
この洗い方はおむつかぶれの予防にもなりますが、オムツかぶれ予防には他の方法もあります。まず濡らしたティッシュペーパーや捨ててもよいタオルで、便を拭き取ります。そしてお湯でお尻を洗い流しましょう。1日1度は、石けん水を使って洗い流すといいでしょう。最後に乾いたタオルやティッシュペーパーでお尻の水分を拭き取り、乾かしてからおむつを穿かせます。
赤ちゃんの夜泣きについて
避難所生活では、夜泣きがひどくなることがあります。赤ちゃんは普段から夜泣きをすることがありますが、災害時は特に不安を感じて泣き止まなくなるケースがあるのです。
夜泣きをしたら優しく抱っこしましょう。周囲の人が気になる場合はその場から離れ、外の空気を吸わせてみると保護者の方の気分転換にもつながります。
まとめ
・避難所で母乳が足りているかを確認する時は尿と便の回数を確認するといい
・オムツの濡れで1日に6回以上オムツ交換する場合は母乳が足りている
・栄養面や感染リスクを下げる為にも母乳は与え続けた方がいい
・哺乳瓶や乳首がない場合は紙コップやスプーンで代用可能
・赤ちゃんが使うものはよく洗浄したり消毒をして清潔に保つ
・赤ちゃんの身体を清潔にする際はタオルではなくティッシュペーパーでも代用可能
・身体は上から順に拭いていくといい
・夜泣きをしたらその場から離れ外の空気を吸わせてみるといい
参考サイト
◆公益社団法人日本新生児成育医学会 東日本大震災に関するお知らせ 被災地の避難所等で生活をする赤ちゃんのためのQ&A(ご家族向け)
◆公益社団法人 日本栄養士会 赤ちゃん防災プロジェクト