みなさんは近くの避難所が、どの災害に対応しているのか知っているでしょうか。避難所にもよりますが、起きた災害によっては利用できないケースが多いのです。例えば、台風時に避難する場合、近くの避難所に行ったのに人が誰もいないし電気もついていない。雨や風が強くなったので、仕方なく自宅に戻ると、数時間後に床上浸水してしまった。このようなケースが、実際にありました。今回は、災害別に避難できる避難所を、見分ける方法を学んでいきましょう。
災害が起きているのにどうして避難できないの!?
避難所と呼ばれるところは、災害から身を守る場所が指定されています。「なのに、災害が起きているのに避難できないとはどういうことだ!」と、憤慨される方が少なからずいらっしゃいます。当然、その方が誤解されているだけなのですが、地域に偏りはありますが、全ての災害に対応している避難所は意外に少ないのです。
指定避難所とは、行政が指定する所なので学校や公園など公的施設がほとんどです。都会の学校は別として、中山間地方の学校の多くは山沿いに建てられています。昔の気象条件では問題なかったのですが、昨今の気象条件では50年、100年前に建てられた学校の立地条件では、全ての災害に対応できなくなっているのです。
中山間地方の学校は大雨時には利用できない
台風など大雨が降ると、どんな災害が予想できるでしょう。浸水や土砂災害は、用意に予想することができます。先ほど説明した多くの学校は、山沿いに建てられているため、土砂災害警戒区域の中に存在することとなります。そうなると、土砂災害の危険があるので「大雨時には利用できない避難所」となってしまうのです。
大雨時に「2階はOK」の避難所もある
大雨が降ると、浸水被害も考えないとなりません。ですから、山沿いにある学校だけでなく、街中にある学校も地盤が低ければ、1階が浸水する可能性があるケースも見られます。このような学校では、「2階への避難は可能」との注意書きがされています。そうなると、収容人員が少なくなってしまうので、到着が遅いと他の避難所へ行くように誘導されることとなります。
地震時のグラウンドは、一次避難場所として利用できる
大雨・土砂災害はNGとなっている避難所でも、地震はOKとなっているケースがほとんどです。その理由は、「建物の中でなくグラウンドに一次避難することができる」ことを指しています。つまり、公園と同じ扱いとなります。建物に避難できると勘違いしていると、持ち出すアイテムも変わってきます。このことは、しっかり把握しておきましょう。
ハザードマップの「避難種別」をしっかり見ておこう
近くの避難所が、どの災害に対応しているかを、把握する方法について説明しましょう。多くのパターンは、ハザードマップの凡例にある避難所一覧に災害種別が記載されています。「地震:〇、洪水:×、土砂災害:×、高潮:〇」このように記載されることが多いです。また、「洪水時1階が利用不可能となり2階のみ避難できる」などの注意書きの記載もあります。作成する機関によって文言は若干異なりますが、意味合いとしては同じです。
普段から、自宅から最も近い避難所がどの災害に適応しているのか、しっかり確認しておく必要があります。自分や家族の命を守るためにも、避難所の避難種別を把握しておくことは、とても重要なこととなるのです。
まとめ
・大雨時に避難できない避難所もある
・1階は浸水するが2階には避難できる避難所もある
・中山間地方の学校はほとんどが土砂災害警戒区域の中なので避難できない
・地震時はグラウンドに一次避難できるが建物には入れない
・自分や家族のために避難所の避難種別を把握しておこう