「災害があったときに、避難所にペットも連れていく」というのは、彼らを家族だと考えている人にとっては当たり前のことです。
ただ、避難所は大勢の人が過ごすところでもあります。
そのため、当然気遣いは必要です。
動物=歓迎されるもの、という考えは改める
動物を飼っている人にとって、動物は癒しとなり、安らぎとなるものです。
しかし避難所ではそうではありません。
実際、東日本大震災のときに避難所で起こったトラブルのなかでもっとも大きかったのは、「犬の臭いがひどい」「鳴き声がつらい」というものでした。
また、衛生面やほかの避難者への危害を危惧する人も多かったとされています。
たとえしつけがきちんと行き届いていたとしても、それでもなお、「アレルギー」の問題は残ります。ましてや、自分のペット可愛さに、過剰な要望を押し付けた人もいるとなれば、動物=歓迎されるもの、という考え方は非常に傲慢なものだと言えるでしょう。
過ごし方について考える
避難所においては、当然、人間の生活が一番優先されます。
また、指示がしっかり行きわたっておらず、ペットの食事の運搬車が「緊急用の車だ」と認められず、供給が遅れたという問題もありました。
加えて、避難所ごとに、ペットをどう考えるかは大きく異なってきます。ペットを飼育できる施設を用意しているところもあれば、屋内で飼育が可能なケース、車中泊が求められるケースもあります。
どのような状態になっても大切なペットを守ることができるように、そしてほかの避難者を守ることができるように、きちんと工夫することが大切です。
まず、動物のしつけはしっかりと行います。特に犬の場合、その鳴き声や牙の鋭さが問題になるケースが多いため、平時からの教育はほとんど義務と言えるでしょう。
また、衛生管理や健康管理のための予防接種はきちんと行っておきます。賛否両論がありますが、不妊治療をしておくのが望ましいでしょう。
ペットの命は自分たちで守る、という観点から、ペットのエサやトイレシートなどは自分たちで用意しておきます。5日分程度、可能ならば1週間分は用意しておきましょう。
また、すぐに連れ出せるようにキャリーに慣れさせておくことも重要です。
まとめ
・避難所では、動物が疎まれる可能性もある
・アレルギーや鳴き声、かみつきの問題がある
・しつけはしっかり行っておくことが重要
・予防接種も忘れずに
・ペットのエサなどは自分たちで用意するものと心がける