2016年4月に起きた熊本地震から7ヶ月が経つ10月31日に熊本県益城町の避難所が閉鎖されました。
本来は10月で全ての避難所を閉鎖する予定でしたが、新しい入居先や待機所の準備が遅れていた為の措置でした。
長期間の避難生活の間、被災者は互いに助け合いながら生活をしてきましたが、今回は今後の避難生活でも重要となる視覚障害者への配慮を取り上げます。
災害時の障害
危険予測が難しくなる
東日本大震災や熊本地震では瓦礫の中を避難所まで移動したというケースがいくつも見られました。
目が見える被災者にとっても日常と全く異なる環境ですが、視覚障害がある人にとっては何処に足を踏み出せばいいかも分からない未知の世界となっています。
避難する為には周囲の人々による手助けが必須です。
避難所も普段生活する場所と異なり大勢の他人と生活する必要がある為、寝床へとたどり着くのも難しくなります。
特にトイレの使用はバケツで水を流したり、穴を掘った仮設トイレの使用は非常に困難で、通常のトイレであれば問題なく利用出来る視覚障害者にとっても辛い環境です。
また、津波などで普段の買い物先がなってしまい、自宅に留まっていても弁当の配給等が受けられない為、避難生活を強いられた人も多かったといいます。
視覚障害者は地図などを読む事が難しい為、避難に関する情報を得辛く、配給などもうまく受け取れない事例がありました。
避難所で出来る心遣い
近所の人々による手助けが大切
視覚障害の人々が避難所でも暮らしていく為には周囲の人たちによる支援が欠かせません。
例えば避難所で寝床から食事を食べに移動する時に付き添い人がいるだけでも、目が見えない人は安心して歩く事が出来ます。
盲導犬に対して避難所の被災者たちが理解を示す事も大切です。
特に、視覚障害者の方々に対する声掛けは重要で、食料品の配給などが提示版で告知されたら情報をしっかり伝えてあげる様にしましょう。
本人と共に配給を受けるといった配慮も出来ればなお良いです。
目が見えない人にとって音は重要な情報源ですから、ラジオ等を持っているのであれば一緒に聞くという事も辛い避難生活の中で安らぎとなる事です。
日本盲人社会福祉施設協議会の調べでは東日本大震災の時に2200人以上もの視覚障害者の方々が被災され、光が見えないなか必死に避難生活を続けていたといいます。
現在予想されている南海トラフ沖地震といった大規模災害でも多くの方々に混じって、目が見えない人や耳が聞こえない方も被災される事が予想されています。
健康な人が支えて、共に災害を乗り切れる様にしましょう。
まとめ
・視覚障害者にとって災害で変わった街は危険も予測できない未知の環境になる
・トイレなどの日常生活に欠かせない事が避難所では難しくなる
・周囲の人々による助けが重要となる
参考サイト
◆東日本盲人社会福祉施設協議会「日本大震災における視覚障害者の状況と支援」
◆日本障害者リハビリテーション協会「災害時における対応-視覚障害」