ひったくりは突然のことです。多くの人は、ひったくりに遭うはずがないと油断しているもの。ですが、警視庁によると平成29年中の都内でのひったくり件数は382件となり、実際ひったくりの被害に遭われる方は一定数いるのです。特に女性は、被害者の約8割が女性だと言われるほどひったくり犯に狙われやすい傾向にあるので注意しなければなりません。
犯罪の被害者になると冷静ではいられないものです。しかし、あらかじめひったくりに遭ったあとの対応について知っておくといざという時に役立ちますし、更なる被害を生むことを防げます。
今回は、もしもひったくり被害にあったらどのように対応すればいいのかご紹介いたします。
ひったくり被害にあった直後の対応

ひったくりは、夕方から夜にかけて被害に遭いやすいようです。特に、午後8時が最も多いのですが、他の時間帯でも油断はできません。
もしひったくり被害に遭ったときは、まずは大声を出したり防犯ベルを鳴らして周囲にひったくりを知らせ、助けを求めます。
それと併せて、下記のことを確認しましょう。
・犯人の特徴や人数
・自転車やバイクの特徴(ナンバー、車体の色や形状など)
・犯人の逃走方向
そして、直ちに110番通報します。この先詳しくご説明いたしますが、いかに早く犯人を捕まえるかが被害を最小限に抑える鍵となるのです。そのためにも、犯人逮捕に繋がる情報を少しでも警察に伝えましょう。
ちなみに、ひったくりに遭うと咄嗟に犯人を追いかけたくなるものですよね。しかし、ひったくり犯はオートバイ等で犯行に及ぶことが多いので、追いつくことはありません。それどころか、焦って追いかけて怪我をする危険性があります。
ひったくりに遭った直後は犯人を追いかけるのではなく、身の安全を確保することが大切です。
ひったくり被害に遭ったその後の対応

女性の場合、鞄に財布や免許証を入れたままの人が多いですよね。
被害を拡大させないためにも、銀行やクレジットカード会社に連絡し、利用停止の手続きを取りましょう。被害に遭った直後に冷静に対応するためにも、いざという時のために銀行やクレジットカード会社などの連絡先を一覧にして家の中に保管しておくといいかもしれません。
また、免許証に記載されている個人情報から居住地が知られてしまうことも考えられます。これにより窃盗に遭ったり、女性の場合は性的被害に遭う危険性が高まるのです。二次被害を防ぐためにも、速やかに鍵を交換するといった対応も必要です。
金銭を盗られても返されないことが多い
たとえ犯人が捕まっても、盗られた金銭を使われてしまった後では弁償してもらえることが少ないでしょう。稀に、犯人から弁償されたり、家族が代わりに弁償するというケースもあります。
しかし実際は、刑法には返却しなければならないという義務がないため、悔しいけれど泣き寝入りする人が多いのです。
また費用はかかりますが、弁護士に依頼し訴訟を起こすことは可能です。ただし、ひったくり犯に支払い能力がなければ被害者側の金銭的負担だけが多くなります。ほとんどの場合、金銭的に余裕がある中でひったくりをすることはないので、残念ながら諦めるしかないのが現状です。
このように、ひったくり被害に遭うと大切な物を奪われ、心に傷を負い、失うものばかりです。被害に遭い後悔しないためにも、日常的に防犯意識を持つことが大切です。
まとめ
・ひったくり被害にあったら犯人を追いかけずに身の安全を確保する
・犯人の特徴を確認し、いかに早く逮捕に繋げるかが被害を最小限に抑える鍵
・銀行やクレジットカード会社に連絡して利用停止の手続きをする
・家の鍵を変える
・金銭を奪われても返ってくることはほぼ無い