荷物を持って歩いている人から荷物を奪う行為や、自転車のカゴに積み込まれている荷物を奪う行為は、「ひったくり」と呼ばれる犯罪です。ひったくりに遭わないようにするためにはどうしたらよいのでしょうか。今回はひったくりに特化した防犯対策について考えてみましょう。
ひったくり被害の状況とは

警視庁の調査によると、ひったくりの被害者の約8割が女性であることがわかります。女性が狙われる背景には、「貴重品をバッグに収納して持ち歩いている人が多い」「男性と比較すると力が弱く、狙いやすい」といった要因が考えられます。
ひったくりは18時から0時にかけて発生件数が増えています。これらの時間帯は買い物帰りや帰宅時間と重なります。「ちょっと買い物に行くだけ」「いつもと同じ時間に帰宅するから大丈夫」など軽い気持ちで出歩くのではなく、外出をする時はひったくりの被害に遭わないための防犯対策を取る必要があると言えるでしょう。
ひったくりに遭わないための対策
バッグを持つ位置に気をつける
ひったくり犯は荷物を奪った後、すぐに逃げます。そのため、荷物を犯人の逃走経路である道路側に持っていると、ひったくり被害に遭いやすくなります。荷物を持つ時は道路側を避け、できるかぎり建物側に持つようにしましょう。
ショルダーバッグを持つ時はたすき掛け(斜め掛け)にすると安心です。ハンドバッグは必ず建物側に持つようにしてください。
後方の状況に気を配る
ひったくり犯はオートバイや自転車に乗りながら犯行に及びます。後方からバイクや自転車が近づいてきた時は、警戒を強めるようにしましょう。
後方の状況にすぐに気が付くことができるようにするため、イヤホンで音楽を聞きながら歩いたり、携帯電話を操作しながら歩いたりすることは止めましょう。周囲を警戒することは、犯罪にいち早く気が付くために必要な防犯対策です。
人目のある場所を歩く

ひったくりは人目が少なくなる時間帯に頻発しています。ひったくりに遭わないようにするためには、人目が多い場所を選んで歩くことも重要なのではないでしょうか。コンビニなど遅くまで営業しているお店や、外灯がたくさん設置されている道、人通りが多い道を選んで歩くようにしましょう。
貴重品の取り扱いに特に注意して!
銀行でお金を降ろした後にひったくりに遭う被害が発生しています。通帳、キャッシュカード、現金などはバッグにきちんと収納してからお店を出るようにしましょう。
お金を降ろしたりATMを利用したりする時は、ショルダーバッグをたすき掛け(斜め掛け)にするなど、ひったくり犯に荷物を奪われにくい格好で出掛けるようにしましょう。
自転車に乗っている時はどうしたらいいの?
警視庁の調査によると、ひったくり被害者の約35パーセントが、自転車を使用している時に被害に遭っていることがわかります。自転車の前カゴに入れている荷物は特に狙われやすいです。荷物を前カゴに放置したままその場を離れることは絶対に止めましょう。
ひったくり被害を防止するためには、前カゴに入れている荷物を「ひったくり防止カバー」「自転車用防犯ネット」と呼ばれるカバーで覆い、容易に持ち去れないようにする方法が効果的です。自転車を常用している人は、防犯カバーの導入をぜひ検討してみてください。
まとめ
・バッグは建物側に持つようにする
・後方の状況に気を配る
・人目のある場所を歩く
・自転車のカゴに荷物を乗せる時は防犯カバーで対策を行う