大掃除や探し物をしていると、ずいぶん前に買った非常用避難袋が出てきたという事がありませんか?
中身を開けてみた時に、消費期限切れの非常食が出てきたら残念な気分になってしまいますね。
今回は非常食を忘れずに更新する為に、日常から活用するコツを都市防災研究所のアドバイスを含めて紹介致します。
非常食の大切なポイントいざと言う時に必ず食べられる物
避難袋等に入れられている非常食の事を災害食と呼ぶ事があります。
これは「日本災害食学会」の考え方である「いつものように食べることが出来ない時の、食の在り方」という考え方から来ており、保存が効く食品だけでなく日常で食べる食品も室温で保存出来るものは該当します。
重要なのは「災害時に食べることが出来る」という事で、下記の方法で食べることが出来ることが条件とされています。
①そのまま食べられる。
②発熱剤で温めて食べられる。
③水を注いで食べられる。
④お湯を注いで食べられる。
⑤コンロ等で温めれば食べられる。
保存期間も重要ではありますが、常温で6か月以上賞味期限があれば非常食として充分機能する事が出来ます。
逆に保存期間が長くても「まずい!」「食べたくない!」と感じるような保存食では、避難生活中に、かえって負担となってしまいます。
どんなに栄養が含まれている食品でも、食べられなければ意味がありません。
これは災害時だけでなく、過去の戦争で粗食に耐えながら戦ってきた人々が「美味しい食事を食べたい」と沢山証言を残しているのですから、非常食に慣れていない人にとって如何にストレスとなるかが想像出来ます。
非常食に慣れるという方法もありますが、普段から食べられる美味しい食材を用意出来れば更に良いですね。
非常食を日常から使う
美味しく食べて忘れず更新
非常食は保存しておくものというイメージが強いかと思いますが、貯め込んでいてもいざと言う時しか食べないとなると、食べる時になって変化の少ない味にうんざりしてしまうかもしれません。
そこで、普段から非常食を用いて美味しく食べる方法を試しておくと良いでしょう。
半年に一度は非常食を食べる様にすれば更新を忘れることもありません。
味の面でも保存期間を気にせず美味しい物を優先してセレクトする事が出来ます。
例えば、乾パンは味が基本的に同じでジャムなどで味を付けないと長期間食べるのには飽きてしまいますが、缶詰に入った保存パン(写真上:ボローニャ社:缶deボローニャ)ならば、メープル味やチョコ味といったバリエーションがあり、またシットリ感もあるため食べやすくなっており、食に彩を与えてくれます。
普段食べる時は調理方法に一工夫を加えれば一層美味しく食べることが可能です。
保存パンを薄く切って間にハムや野菜を挟んでサンドイッチにしてみたり、総菜系の非常食なら足りないおかずの追加として食卓に出すのも良いでしょう。
簡単な調理方法を見つけておけば、避難所でも美味しく食べることが出来る様になります。
フルーツ缶やツナ缶と同じ感覚で食べてしまえば普段から使ってしまうので、災害時に何処に非常食があるか忘れてしまったという事態を防ぐ事にも繋がります。
「都市防災研究所」では、普段から食べられる食材を非常食にする事で、いざという時も美味しく食べられる様にすることを推奨しています。
これからはレトルト食品や冷凍食品と同じ様に、日常と密接に関わった非常食が定期的に食卓に登場するかも知れませんね。
美味しく非常食を食べる術を覚えて、災害への備えを進めましょう。
まとめ
・「非常食」はいざという時に食べられる事が大切
・保存性が良くても味が良くないと食べる事が苦痛になる
・日頃から美味しく食べる工夫を身に付けることで、被災時に役立てる
参考資料
日本防災食 認定基準
日本防災食学会