放火の対象となるのは、共同住宅や一般住宅だけではありません。「店舗」もまた、放火の対象となります。
実は、出火原因の1位となっているのはこの「放火」なのです。
店舗としての対策を見ていきましょう。
バッグヤードをしっかり整理しよう
店舗は「住宅」とは異なり、「バックヤード」があります。バックヤードは死角になりやすい場所だと言えるでしょう。常に人がいるわけではない場合はなおさらです。また、意外なことに、トイレや階段も死角になりがちです。
このようなところに、紙のゴミやダンボールゴミなどを積み上げておくことは極めて危険です。特に雨が降らない季節などは、乾燥によって火が燃え上がりやすくなっています。これらを防ぐために、部外者が入り込めないような店づくりが大切です。
「店舗で出たゴミは一か所に集めておき、夜間に来る業者に持って行ってもらう。その時は、業者からの声かけを特に必要としていない」という店舗もあるかと思います。
このような場合、「ゴミの集積場にカギをかけているかどうか」が非常に重要になってきます。
ゴミの集積場は、一般住宅であっても火をつけやすいもの。
店舗のバックヤード、カギはかけていない、声を掛ける習慣もないということであれば、放火されやすい環境が整っていると言えます。
店の見回りと防犯システム
「店の見回り」も重要です。
一般住宅同様、「周囲が気を配り、目を配っている場所」では犯罪は起こりにくいものです。
見回りを頻繁に行いましょう。「お客様に声を掛けること」は、明るい店舗をつくることに役立つとともに、犯罪の抑止力にもなり得ます。
セキュリティ性を高めるために防犯システムを導入しておくことも有用です。
サイレンが鳴り響いたり、警報を鳴らしたりする道具は、この類の犯罪に対しても効果を示します。
また、万が一のことがあったとしても、犯人をとらえやすくなります。
フェンスなどで店を囲む場合は、「見通しがよく、壁が高いもの」にしましょう。
高い壁は不審者に侵入を拒みますが、一度中に入られると、侵入者を人の目から守るためのものになってしまいます。
まとめ
・放火を防ぐために、バックヤード、特にゴミ集積場の状態はしっかりと確認しておく
・見回りや声かけは防犯に役立つ
・防犯システムの導入も考えるべき。大きい音をたてられるものは、高い効果をあげる
・「壁」は有効だが、見通しのきくものにすること。そうでないと、入り込んだ侵入者に周りの目がいかなくなる