警察庁「平成29年の刑法犯に関する統計資料」を参照すると、平成29年度に発生した放火は、959件にのぼります。それ以前に遡ってみても、年1,000件~1,500件の間で推移しています。放火は身近な犯罪と言えるでしょう。
今回は放火被害を予防するためのポイントについてご紹介しますので、狙われやすい家になっていないか確認してみましょう。
放火は防げる犯罪なの?

放火は無差別に狙われる印象があります。ところが東大阪市「放火火災を防ぎましょう」によると、屋外に可燃物を放置している場所が狙われる傾向にあることがわかります。さらに、放火犯は防犯意識の高い地域を嫌うと述べられています。
放火は、「放火犯の目に留まりにくい環境づくり」「放火犯に放火しにくい地域であると思わせる環境づくり」によって防ぐことができる犯罪と言えるのではないでしょうか。
放火を予防するためのポイント
①可燃物を外に置いておかない
家の周りに燃えやすいものを置いておくと、それに火を放たれる危険が高まります。放火を予防するためには、家の周りに可燃物を置いておかないようにしてください。可燃ゴミ、新聞紙、雑誌などはゴミの日が来るまで外に置いて保管してしまいがちですが、収集日まで家の中で保管し、収集日の朝にゴミ捨て場に出すようにしましょう。
ゴミ以外にも、自転車のカゴに入れておいた荷物、自転車やバイクのボディカバー、郵便受けからはみ出したチラシや郵便物なども、放火されやすいポイントです。室内で保管できるものはなるべく室内で保管する、ボディカバーは燃えにくい素材のものにする、郵便受けや新聞受けはこまめに確認するなどの対策を取りましょう。
②放火犯を意識した防犯対策を行う

放火を防ぐためには、建物や敷地内に侵入されない環境を作ることも重要です。施錠を入念に行うようにしましょう。特に倉庫や車庫などは施錠を忘れてしまいがちな場所です。その都度鍵をかける習慣を身につけましょう。
放火犯は暗がりなど人目につかない場所や死角になりがちな場所を狙います。放火犯に狙われないためには、人目につかない場所や死角になりがちな場所に防犯対策を施すことも効果的です。例えば「人感センサーライトを設置する」「防犯カメラを設置する」「防犯ブザーを設置する」などの対策がおすすめです。
③放火されにくい環境づくりを地域で心がける
放火を予防するためには、放火しにくい環境づくりに地域で取り組むことも大事です。防犯パトロールや、一声運動・一戸一灯運動などが効果的と考えられています。消防庁予防課「放火火災の防止に向けて」のリーフレットでは、「放火監視機器設置済の表示を出す」「消防署・自治会・町会等が行う消火活動訓練に参加する」「町会・自治会を母体とした自主防災組織への参加意識を高める」といった放火防止策も提案されています。所属している地域の活動状況にあわせて、放火防止活動に参加してみましょう。
また、近隣住民とお互いに声を掛け合い、放火防止についてどのように行動すべきか話し合ったり、長期間自宅を不在にする時は声を掛けて放火の防止・早期発見に気を配ってもらうようにしたりすることも必要です。近隣住民と日頃から友好的な関係を築き、放火を防止しましょう。
まとめ
・放火は防ぐことができる犯罪である
・可燃物は外に置かない
・放火犯が敷地内に侵入しないようにする
・放火しにくい環境づくりを、個人・地域の両方で心がける