今日、2月3日は「節分の日」ですね。明日は立春だというのに、まだまだ寒く雪の降る日が続きます。毎年、雪の季節にはスキーやスノーボードを楽しみに出かけられる方もいらっしゃるかと思います。
しかし、雪山でのレジャーを楽しむ場合はその場所が「吹雪」により災害に巻き込まれる可能性がある事を忘れてはなりません。
今回は雪のレジャーを楽しむ時などに気を付けたい「吹雪」の特性と対応を調べてみました。
吹雪はなぜ起こるか
風により雪が吹き飛ばされる現象
大雨が降っている時、外に出ると、視界が水しぶきで数百m先までしかないという経験をする事があります。特に強い風が伴う台風の時は、全く前が見えないという状況に陥ります。
これは雪が降っている時も同様です。
吹雪には大きく分けて2種類あり、ひとつは雪が降っている時に強い風が吹く事で起こる「吹雪」で、もうひとつは降り積もった雪が吹き飛ばされ再び舞い上がる事で起こる「地吹雪」です。
特に直径0.5mm以下の小さな雪の粒子が吹き飛ばされやすい為、吹雪粒子と呼ばれる事もあります。
いずれの場合も煙の様な雪によって視界が妨げられ、視界を失う場合は「ホワイトアウト」とも言われています。スキーで滑っている時など、自分の姿勢が分からなくなることもありますね。
自動車を運転している場合には、「車間距離を正常に取れなかったり」「歩行者や障害物が見えなくなり」事故の原因に直結します。
編集部員も以前スキーの帰り道「地吹雪」に遭い、車を停車させていたところ視界が晴れると目の前に別の車が停止しておりました。
吹き溜まりに要注意
風が弱い場所に雪が溜まる

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吹雪の場合でも、常に強い風が吹いている訳では無く、風の強弱が起こって視界が開けたり、逆に狭まったりします。
しかし、建物の影や雪提という雪の山が出来ている場所では吹雪の勢いが弱められ、飛ばされてきた雪がその場に溜まってしまいます。
これによって家の扉が雪に塞がれたり、道路や車が雪で埋まるといったトラブルが発生するのです。
雪は水分の塊である為、比較的乾燥して軽い雪でも1㎥当たり50kg以上あり、積もるにつれて密度が高まって重くなります。また、気温の高い時は「水分を多く含んでいる」ために更に重たくなってきます。
一般財団法人日本気象協会の紹介している具体的な例では、屋根に積もる雪の平均密度が300kg/㎥になる為、スコップ一回分の量、約30cm立方(30cm×30cm×30cm)の大きさでも8kgほどの重さになると紹介されています。
吹雪の時はどうすればいいか
外に出ないようにする
吹雪が起こっている時は、出来るだけその場から動かないようにする事が賢明です。
車の中で吹雪に巻き込まれ、埋もれて動けなくなってしまっても、自力で歩いて移動しようとはしないでください。
エンジンをかけて暖を取る場合も定期的にマフラー周辺の雪を取り除いたり、窓を少し開けるなど換気をして一酸化炭素中毒を防ぐ必要があります。除雪されている駐車場などでも、後方に雪の壁があると、溜まった一酸化炭素が逆流して中毒になる可能性があります。
出来るだけ衣類や毛布などで暖かくして吹雪が止むのを待つと良いでしょう。
スキーやスノボは整備されているゲレンデで楽しむ事が重要です。ゲレンデ以外でスキー等を楽しむ場合は「装備と準備」を十分に実施して、万が一吹雪などに遭遇しそうな場合は、視界があるうちに山小屋や洞窟といったような直接風にさらされない場所へ避難しましょう。無理に移動しようとすると遭難する危険性があります。
もし近くに避難出来る場所が無ければ、雪を掘って雪洞を作るという方法もありますが、吹き溜まりになって埋もれてしまわないように注意する必要があります。
吹雪に遭遇すると脱出する事に苦労する為、出来るだけ天気予報などで事前情報を確認し、危険があると分かっているときは中止する勇気も大切ですね。
まとめ
・吹雪は雪の粒子が風に吹き飛ばされて起こる
・吹雪は視界が狭まったり、ホワイトアウトになったりして非常に危険
・吹き溜まりにより埋もれてしまう危険に注意
参考サイト
◆第5回 吹雪はこんなに恐ろしい! もしもの時に身を守る方法 NHK備える防災
◆吹雪の発生・発達と空間構造 ながれ28(2009)461-468
◆雪の重さを考える~豪雪のまち 新潟県十日町市から~ 一般財団法人日本気象協会
◆吹雪など視界不良時における交通事故の実態 北海道警察本部