振り込め詐欺は、年々巧妙化していっています。
その認知度が非常に高くなった現在ではありますが、その件数が0件になることはありません。
従来型の振り込め詐欺は今でも行われていますが、「認知度が高くなったこと」「振り込め詐欺と見抜く人もいるようになったこと」を逆手にとった詐欺も出ています。
今回は、このタイプの詐欺について紹介していきます。
「だまされたフリをした人をだます詐欺」の存在
ニュースで、「振り込め詐欺だと気づいた人がだまされたフリをして警察に連絡、その結果加害者グループが捕まった」という朗報が流れることは時々あります。
これは非常に喜ばしいニュースなのですが、これを逆手にとった詐欺が出てきているのも事実です。
基本の手順は、以下の通りです。
①振り込め詐欺の電話がかかってくる
②この段階で、電話を受けた人が振り込め詐欺を疑う
③その後に、警察官だと言う人間から電話がかかってくる。この電話で、「それは振り込め詐欺の電話だが、犯人を逮捕するためにおとりになってほしい。犯人が家にやってくるので、いったんお金を渡してほしい。犯人が家から出たところで、現行犯として逮捕する」などと告げてくる。
④その電話を信じた人が、やってきた犯人役にお金を渡す
⑤その後は何も連絡がなく、お金が奪われたままになる
「だまされたフリをした人をだます詐欺」の悪質さ
手順を見れば分かるように、この詐欺は、2段階で構成されています。1回目の詐欺を見破ったとしても、2回目の詐欺で警察官が出てきたことで安心してしまうわけです。
実際の「だまされたフリをして相手を捕まえる」という方法の場合、警察官が現金を預かることはありません。このような作戦に使われるのは本物の紙幣ではなく模造のお金です。また、このような作戦を取る場合、警察が電話だけで作戦のお願いをすることはありません。
振り込め詐欺の電話や、だまされたフリをしてほしいという電話を受けた場合は、まず自分の携帯から警察署や交番に相談しましょう。相手からの電話で事を進めるのは、相手に主導権を渡すことにほかなりません。
まとめ
・振り込め詐欺はよく知られているが、それを撃退する方法として「だまされたフリをして、犯人を検挙する」というものがある
・現在はこれを逆手にとった詐欺もある
・「犯人に一度お金を渡してほしい、出てきたところを逮捕する」などと誘導するもの
・実際の作戦では、本物の現金は取り扱わない。また、電話だけで事を進めることもしない
・振り込め詐欺の電話を受けた時点で、警察署などに連絡をすること