振り込め詐欺が「オレオレ詐欺」の名ではじめて報道されたのは、2003年のことでした 。それ以来、毎日のように報道され、警察や自治体、金融機関が対策に力を注いでいるにもかかわらず、一向に減る気配はありません。むしろ被害は増えているのが実情です。
では、どうしたら、振り込め詐欺の被害に遭わずに済むのでしょうか?
振り込め詐欺は自宅の固定電話に、見ず知らずの犯人から電話がかかってきて、その電話に出てしまったことから事件がはじまります。ですから、電話の使い方が、振り込め詐欺を防ぐ大きなポイントなのです。
今回は振り込め詐欺を撃退するのに一役買ってくれる、電話の使い方と頼もしい機能についてご紹介します。
電話に出るときには、名乗らない
電話に出るときに、「はい、〇〇です」と名乗っていませんか?
電話がかかってきても、安易に名前を名乗ってはいけません。20年ほど前まで、電話に出るときは名乗るのが礼儀だとされていたことから、いまだに電話に出るときに、「はい、〇〇です」と名乗ってしまう人もいるようです。
でも、電話を使った犯罪が横行する現代において、先に名前を名乗ることは、自ら進んで相手に個人情報を渡していることになり、とても危険な行為になります。
電話に出るときは、「はい」か「もしもし」だけで十分です。
かかってきた電話は一度切って、自分からかけ直す
振り込め詐欺の対策の基本は、電話の相手の確認です。
やり方は簡単で、一度切って、自分からかけ直すだけです。
相手が知人であれ、警察や役所、金融機関を名乗る者であれ、とにかくまず相手の電話番号を聞き、折り返し電話する旨を伝え、一旦電話を切ります。そして、その番号が正しいのかをネットで調べたり、家族に聞いたりして正しいと確認できてから、かけ直すのです。
「振り込め詐欺対策で、必ず折り返しかけるようにしているので、番号を教えてください」と電話の相手に言うのも、振り込め詐欺対策として有効です。相手がそれを拒み、無理やり話を進めようとするようなら、かなりの確率でその相手は振り込め詐欺師です。
ただ、すべての電話にいちいち折り返すのは、やはり面倒ですよね。
そんなときに、役に立つのがナンバーディスプレイや電話機の振り込め詐欺対策機能です。
ナンバーディスプレイ
ナンバーディスプレイとは、かけてきた相手の電話番号が、電話に出る前に電話機等のディスプレイに表示されるサービスです。誰からかかってきたのか確認してから電話に出ることができるため安心です。携帯電話では標準機能となっているナンバーディスプレイですが、固定電話の場合、オプションサービスとなり、1回線あたり2,000円(税抜)の工事費に加えて、月額使用料400円がかかるので、利用していない人も意外と多いと聞きます。
携帯電話のように標準機能になってくれることが望まれます。
NTT東日本 ナンバーディスプレイ
頼りになる、振り込め詐欺対策電話機
各電話機メーカーも、増加している振り込め詐欺対策に役立つ機能を搭載した電話機を次々と発売しています。
以前から迷惑電話対策機能の付いた電話機はありましたが、あくまでたくさんある機能のうちの一つという扱いでした。しかし、ここ数年発売される電話機は、振り込め詐欺対策を前面に押し出したものとなっており、利用者はごく簡単な操作で扱うことができるようになっています。
たとえば、シャープの最新電話機には、以下のような、振り込め詐欺対策に役立つ機能が搭載されています。
・着信ランプの色で電話をかけてきた相手を識別確認
・非通知の相手は着信拒否
・相手に名前を名乗るようにメッセージを流し、相手を確認してから電話に出られる
・録音していることを警告メッセージで流して、通話内容を最初から録音する
・番号登録者以外との通話後には音声メッセージを流し、冷静になれるきっかけをつくる
・番号登録者以外との通話後に、相手を着信許可するか、着信拒否するか、振り分けできる
シャープ 詐欺対策強化機能
迷惑電話チェッカー
警察や自治体から提供を受けた迷惑電話番号情報と、全国のサービス利用者からの通知情報をもとにしたデータベースから、迷惑電話番号リストを定期的にダウンロードし、そのリストの番号からかかってきた電話は、呼び出し音を鳴らすことなく自動で着信拒否とするサービスもあります。「迷惑電話フィルタサービス」とも呼ばれ、月額300円ほどかかります。
最新の振り込め詐欺対策用電話機には、このサービスがはじめから搭載されていますが、わざわざ電話機を買い替えなくても、いまある電話機に取り付けるだけで、このサービスを利用できる専用端末もあり、自治体での採用も進んでいます。
興味のあるからはチェックしてみてくださいね。
トビラフォン
ひとりで行動しない
いろいろ対策をしてみたけれど、あやしい電話に出てしまい、相手のペースで会話がどんどん進んでしまった場合は、どうしたらいいのでしょうか?
受話器を置いたら、まず大きく長く息を吐き、頭をクールダウンさせます。
そして、次の行動を起こす前に、かならず誰かに相談しましょう。ひとりで行動しないということを守れば、今からでも助かります。
身近に相談できる人がいなければ、110番に電話してくださいね。
以上、振り込め詐欺を撃退するのに一役買ってくれる、電話の使い方と頼もしい機能についてご紹介してきました。
振り込め詐欺は日に日に巧妙化しています。被害に遭わないために、電話機を上手に使いましょう。
まとめ
・電話に出るときには、名乗らない
・かかってきた電話は一度切って、自分からかけ直す
・ひとりで行動しない
・振り込め詐欺対策用のサービスや電話機を利用する
・あやしいと思ったら110番