疲れているときは温かい湯船につかると、1日の疲れがとれていくようで気持ちがいいものですよね。スマホや本を持ち込んで、自分だけの至福の時間を楽しむ人も多いのではないでしょうか。健康維持や美容、癒しのためにもシャワーではなく、湯船に入ることは大切なことですが、入り方を間違えるとのぼせてしまう危険性があります。お風呂でののぼせを甘く見てはいけません。症状がひどくなると意識障害が起きたり、のぼせによるふらつきで転倒事故を起こす危険性があるからです。転倒事故での被害が大きい高齢者の方は、特に気をつける必要があります。
そこで今回は、お風呂でのぼせたときの正しい対処法や予防策についてご紹介いたします。
お風呂でのぼせたときの症状や対処法
市役所 町長

お風呂でのぼせるのは、熱中症になるのと似ていると言われています。熱中症は体温の調節機能が働かず、上昇した体温が下がらなくなったり、体内の水分と塩分のバランスが崩れることにより起こる健康障害のこと。熱が体内にこもり、最悪の場合死に至る危険な状態なのです。
お風呂ののぼせも、これと似たような仕組みになっています。のぼせると脱水症状や意識障害、頭痛、めまい、嘔吐、失神、不整脈などが起こります。
もし、のぼせたときはまずお風呂から上がって安静にしましょう。浴室から出ることが辛ければ湯船から出て、その場で楽な体勢になります。横になるときは、下半身に集まった血液を脳に戻すために足を高くするといいですよ。もしくは、足を冷やしても同じような効果が期待できるので、洗面器に水を入れてその中に足を入れたり、冷たいタオルで拭きましょう。
熱中症のような症状が出ていれば水分補給をし、タオルで顔を拭いたり、頸部や脇の下を冷やします。ただし全身を冷やしてしまうと身体に負担がかかるので、身体を拭いて体温が急激に下がらないように注意しましょうね。バスタオルをかけるときは、手足を出しましょう。
それでも症状が改善しない場合や症状が重い場合はすぐに救急車を呼ぶことが必要です。
お風呂でのぼせない為の予防策について

お風呂でのぼせない為にには、お湯の温度は41度以下にします。高い温度のお湯に浸かると心臓に負担がかかるだけではなく、体温が上昇してのぼせる危険性が高まるからです。
湯船につかる時間は10分が限度。ぬるめのお湯で半身浴している場合でも、長時間入れば体温が上がる可能性が高いので入浴時間には気をつけましょう。少し長めに湯船につかりたいときは休憩をはさんだり、冷たいタオルを頭の上におくといいですよ。お風呂に入る前には水分補給をして、脱水症状にならないようにすることも大切です。
それから、急に立ち上がらないことも注意したいポイントのひとつ。湯船につかっているときは身体に水圧がかかっている状態です。ここから一気に立ち上がると血管が拡張して、一時的に脳が貧血状態になりめまいが起こります。これものぼせの原因です。
めまいが起こると転倒したり、溺水する危険性が高まります。高血圧の方や高齢者の方は特に気をつけたいところですが、健康な方でものぼせることはありますよ。
お風呂は習慣的に入るものなので、のぼせないように対策をとりましょう。
当然ですが、アルコールを摂取した直後や体調不良のときは、お風呂にはいるのを控えた方がいいですよ。入浴中に体調が悪くなったときも、迷わず上がるようにしましょうね。
まとめ
・お風呂ののぼせと熱中症の症状は似ている
・のぼせたときは安静にして水分補給や足を冷やすなど対処をする
・症状が重い場合はすぐに救急車を呼ぶこと
・お湯の温度は41度以下で10分以内にあがるようにする
・急に立ち上がるとめまいが起こりやすいのでゆっくりと行動する
参考サイト
◆消費者庁「冬場に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!」