日常生活の中で欠かせないお風呂ですが、浴室は子どもや高齢者にとって思わぬ事故の危険があることをご存知でしょうか。家庭内での事故を防ぐためにも、浴室や入浴時に起こりやすい事故について理解を深めておきましょう。
転倒
湿った床や泡が残った床は、とても滑りやすくなっていますよね。大人でもヒヤリとする瞬間がありますが、子どもや高齢者は踏ん張る力が弱かったり、注意力が散漫になったりしていることから、転倒してけがをするリスクが高いです。子どもや高齢者の転倒事故防止のためにも、風呂場の床が滑りやすいと感じる時は、滑りにくい素材に変えることを検討してみましょう。また、石けんカスやぬめりがついている床はより一層滑りやすくなるため、こまめに掃除することも心がけてください。
高齢者は立ち上がる時や浴室内を移動する時に転倒することがあります。こうした事故を防止するためにも、高齢者がいるお宅は浴室内に手すりをつけるようにしましょう。手すりを握って体を支えることができると、転倒の機会が減ります。
溺れる・溺死
子どもやお年寄りを中心に、浴槽内で溺れる・溺死する事故が発生しています。お風呂に浸かる時はお湯を目いっぱい張るのではなく、体格にあった量を張るようにしましょう。特に子どもは水深が低い場合でも溺れることがあるので、一緒に入浴するなど大人が目を離さないようにしましょう。
高齢者は浴槽内で滑ったり、体を上手く動かすことができずに沈んでしまったりすることがあります。こうした事故を防ぐためにも、高齢者が入浴をする時は見守るようにする・声をかけるなどの対策を取るようにしましょう。
浴室は、「浴槽内で寝てしまった」「泥酔したままお風呂に入る」など、大人でも溺れるリスクはあります。湯船につかる時は体調に気をつけ、家族で声を掛け合うことが大事です。
ヒートショック
ヒートショックとは寒暖差によって血圧が乱高下することによって起こり、心筋梗塞、脳梗塞など命に直結する重大な事故をもたらすことがあります。浴室や脱衣場は寒暖差が大きくなりがちな場所であること、湯船に長時間浸かることによって血圧の変動が起こりやすいことなどから、お風呂やお風呂に入るタイミングはヒートショックが起こりやすいと言えるでしょう。
ヒートショックは高齢者や、糖尿病・高血圧などの持病がある人に起こりやすいです。高齢者や持病がある人がいるお宅は、ヒートショック対策を取り入れましょう。ヒートショックは寒暖差によって起こることから、浴室と脱衣場の寒暖差が少なくなるようにする必要があります。「脱衣場に暖房を設置する」「浴室と脱衣場を区切る扉を開けて寒暖差を少なくする」「脱衣場や浴室にある窓に断熱シートや断熱カーテンを吊るして外気を遮断する」などの方法が効果的です。
まとめ
・浴室は転倒事故や溺れる事故が起こりやすい
・事故防止のためにも「床の素材を変更する」「手すりをつける」「掃除をこまめに行う」
・子どもや高齢者の入浴中は目を離さない
・浴室や脱衣場の寒暖差を無くし、ヒートショックを予防しよう