2016年7月26日に相模原の知的障碍者施設「津久井やまゆり園」にて19人もの尊い命が奪われる事件がありました。
この事件は計画的な犯行と言われており、障碍者の方々に対する犯人の心理的背景等の特殊な理由があります。
しかし、近年では住宅や施設に不審者が侵入し、ストーカーや強盗から住人・入居者が危害を加えられる事件が多発しています。
テロや無差別犯罪も増えているので、どんな人でもどんな住宅・施設でも決して他人事ではありません。
今回は「不審者の侵入」についてクローズアップし、侵入を防止するための方法・侵入されてしまったときにどうやって身を守ればいいのか? など自衛の方法を調べてみました。
不審者の侵入を防止する防犯対策
不審者が侵入しやすい環境は?
強盗などの不審者にとって「人気(ひとけ)がない場所」は「狙いやすい場所」です。
路上強盗や強姦・ストーカー犯罪は人の気配がない路地裏などで起こりやすいとされています。
人目に付かない環境だと「誰にも見られてないから」「チャンスだから」と犯行に及びやすいという心理的な原因があります。
もしも人気のない場所にお住まいの場合は、何らかの防犯対策が必要不可欠でしょう。
しかし、必ずしも人気がない場所「だけ」が狙われる訳ではありません。
近年多い空き巣被害の事例として、大通りに面した家やお店が狙われる傾向があります。
これは、多少目立つ事は考えた上で素早く強引に侵入して、警備員や警察が来る前に短時間で逃走してしまうという手法です。
このタイプの犯行は組織的に行われている事が多く、万が一住民に見られた時にその住民に危害を加える強盗となる可能性もあり、非常に危険です。
また、垣根などで家の中の様子が全く見えない場所も空き巣等に好んで狙われる傾向があります。
不審者にとっては路上から目がつかない環境であれば、たとえ住宅街の真ん中であってもじっくり時間を掛けて侵入する事が出来てしまいます。
この場合は個人で行う犯行が多くなる傾向があり、ストーカー犯罪等も同様の環境で起こり易くなるといえます。
在宅中に侵入されるというケースもあり、不審者と不意に出くわす危険がありますのでやはり注意が必要です。
どうすれば不審者侵入を防犯対策出来るか?
では、どの様に不審者の侵入を防止すればいいのでしょうか?
具体的に自宅に不審者が入ろうとする時に、入りにくい環境を考えてみましょう。
監視カメラがあると、防犯対策を行っていると不審者側も警戒するので、効果的です。
例えば、垣根で囲まれた家でも侵入経路となりやすい場所に監視カメラがあると、強盗は躊躇したくなります。
車が停められる場所や、人目に付かず垣根を越えられそうな場所、入り口の付近などが監視カメラの設置に向いています。
また、センサーライト等の近づくと光や音で警告する防犯グッズも、住宅街の中で効果的です。
特に音が出るタイプは、周囲の住人も「何かあったのか!?」と気が付くので、不審者が急いでその場から離れる可能性が高くなります。
玄関のカギを増やしたり、窓に防犯フィルムを貼る等して侵入までに掛かる時間を長引かせるのも有効です。
(財)都市防犯研究センターのレポートでは5分以上侵入に時間が掛かると6割以上の空き巣が犯行を諦める……と言われています。
もしも問題がなければ、犬を飼うことも防犯対策の一助となるでしょう。
ただし、最期までペットの命を預かるという責任を持つ必要があります。
世話ができない方や環境が許さない方、面倒だと感じる方はこの方法はあきらめてください。
また、普段から貴重品は他人から分かり難い場所や金庫で保管する事も有効な対策手段です。
貴重品を守る手段として二重三重の妨害策を行うと、より安全に守る事が出来ます。
警備会社にホームセキュリティーを委託する事も有効ですが、万が一の時に駆け付けるまで10分から20分ほど掛かる可能性があります。
これは警備業法にて駆け付け警護をする時に、この時間内に対応出来る様にするという規定がある為です。
警備会社も沢山の拠点を設ける中で、最寄りの拠点から警備対象の家まで距離があると規定時間ギリギリに到着する可能性も考えられるからです。
不審者の侵入を防ぐには、「我が家はセキュリティをしっかりしている!」とアピールする様にしていくのが、最も有効です。
万が一侵入されても大切なものに近寄らせないという事も大切です。
不審者にとって、時間が掛かるほど捕まるリスクが増えるので、諦める傾向があります。
万が一、不審者に侵入された時は?
それでも計画的に侵入を企んだり、逮捕される事を覚悟して侵入してくる不審者もいるでしょう。
事実、「津久井やまゆり園」では防犯カメラを増設するなど不審者侵入対策をしていました。
その様な不審者と接触するのは非常に危険です。
武器を持っていたり、格闘技に自信があるというケースも考えられるので、自衛の為に戦いを挑もうとは思わないでください。
貴重品を盗まれて、命まで取られたら取り返しがつきません。
もし、不審者が居たらすぐにその場から逃げてください。
近所の人に助けを求めて、警察に通報しましょう。
空き巣等も「居直り強盗」といい、保身のために住民に危害を加えようと豹変する可能性があります。
ストーカーの様な最初から人をターゲットとしている犯罪者は計画的に犯行を行っている可能性もあり、逮捕されても構わないと考えている場合もあります。
身の安全を最優先として、逃げる経路も複数パターン考えておければ良いでしょう。
貴方自身をターゲットにしている様な不審者には挑もうと思わず、身の安全を確保する事に専念するのが一番です。
万が一の時に頼りになるのは近所の方々との繋がりです。
地域で普段から情報交換をしていれば、最近不審者が目撃されているというような話も耳に入りやすくなるので、未然に犯行を防ぎやすくなります。
普段から人との関わりを大切にしつつ、防犯グッズを上手に活用し、自分と家族を卑劣な犯罪から守っていきましょう。
まとめ
- 不審者が侵入しやすい環境であれば、防犯カメラ・光や音の出る防犯グッズなどで対策する
- 侵入防止には近所の人の助けが大事
- 不審者が侵入した場合、挑まずに逃げること
参考リンク
- 公益社団法人 日本防犯設備協会 -住宅を対象とした侵入犯罪関連データ
(出典:都市防犯研究センターレポート)