冬になると鍋をするためのカセットコンロや、ストーブなどの暖房器具などで火を扱う機会が増えます。
しかしその使用法を間違えると、火災につながる原因にもなります。
つい先日2016年12月22日には新潟県糸魚川市で大規模な火災が発生、同日には神奈川県平塚市の火災の影響で新幹線が緊急停止、さらに12月25日には千葉県市川市のスクラップ置き場で火災など、全国各地で火災のニュースが後を絶ちません。
そこで今回は、冬に発生する火災事故の原因やその対策についてご紹介します。
冬に発生する火災の出火原因とは?
冬場は12分に1回火災が起きている
消防庁の発表した今年2016年の1月から3月までの火事の件数(総出火件数)は、10,935件でした。
1日あたり約120件、12分ごとに1件の火災が発生したことになります。
いたましいことに、実に552名もの方々が火災で命を落としています。
このうち、建物火災事故で亡くなった方は356名(自殺を除く)で、65歳以上の高齢者が253人と約7割を占めています。
<出典:総務省消防庁・平成28年(1月~3月)における火災の概要(概数)>
この期間に起こった建物火災のうち、で多い出火原因は「こんろ」・「ストーブ」・「たばこ」・「放火」・「配線器具」でした。
住宅火災全般の対策方法については別記事「火の用心! 自宅の火事を未然に防ぐための住宅火災対策方法」をご参照ください。
今回は第2位の「ストーブ」を含めた暖房器具が原因の火災について詳しく調べてみました。
暖房器具の使用法には注意!
出火原因となる暖房器具とは
最近では防火機能の付いた電気ストーブや電気ヒーターが普及していますが、「暖房器具の火災」はまだまだ多いのが現状です。
特に、
・電気(石油)ストーブ
・こたつ
が原因の事故が多くなっています。
まず電気(石油)ストーブの出火原因は、ストーブにモノを近づけてしまい出火する事故や、長時間の使用によりストーブ自体が過熱してしまいオーバーヒートしてしまった火災事故などがあります。
とくに石油ストーブの場合は、使用方法を間違えるとすぐに石油に引火してしまうのでとても危険ですよね。
また石油ストーブの場合は火災事故のほかに、一酸化炭素中毒による事故のリスクも多くなっています。
ストーブの取り扱いには十分注意したいですね。
こたつの場合は中で洗濯物を乾かしたり、長時間こたつの中に可燃性のモノを置くことによって火災の原因となってしまいます。
特にこたつは電源の消し忘れをする方が多いので、夜眠っている間に火災が発生してしまう危険性もあります。
こたつの中にモノを詰め込みすぎたり、電源を消し忘れたりする事には十分注意が必要です。
暖房器具による火災を防ぐ対策
まずは暖房器具の近くにモノを置かないということです。
これは当たり前ですが、冬場は洗濯物が乾きづらく、暖房器具の周りに洗濯物を干す人が多くいらっしゃいます。
しかし、周りに干していた洗濯物がストーブの上に落ちたり、ストーブ自体が倒れて床に着火する可能性があります。
洗濯物を乾かすときはなるべくストーブから離れたところで乾かすようにしましょう。
また石油ストーブを長時間使うときには、十分な換気が必要です。
室内に一酸化炭素が充満し気分が悪くなったり、うとうとしている間に気を失ってしまう場合があります。
1時間に1回は換気をするようにしましょう。
暖房器具を使用するときには火災だけではなく、自分の身を守るような対策も重要ですね。
そして最後に暖房器具の消し忘れにも注意しましょう。
特に、「夜寝る前」、「出かけるとき」、「お風呂に入っているとき」には消し忘れのないようにしましょう。
暖房器具の消し忘れをなくすためにも、チェックシートやリストを作成するなどの対策を日ごろから意識するように心がけてくださいね。
まとめ
・冬になると火や暖房器具を使用する機会が増えるので、火災事故につながりやすい
・火災の出火原因は「こんろ」「ストーブ」「たばこ」が多い
・暖房器具による事故対策として、暖房器具の近くに物を置かない・換気をする・消し忘れがないようにすることが重要
参考リンク
総務省消防庁・平成28年(1月~3月)における火災の概要(概数)