「交番」は、治安を守るために非常に重要な役目を持っているものです。その歴史は明治4年にまでさかのぼることができますが、近年、新しいかたちの交番ができました。
それが、「移動交番」です。
地域を守る目として活躍する「移動交番」に注目していきましょう。
移動交番とはどんなもの? その普及について

移動交番とは、交番の機能を持った車(バン)及びそれを使って行う治安維持活動のことを指します。
移動交番の歴史は非常に浅く、運用が開始されてから1年も経っていません(ただし、車の導入自体はもっと昔からされていました)。これが本格的に導入されたのは、2019年の10月のことで、石川県で始まった制度でした(ちなみに、余談ですが、石川県の移動交番の腹部分には石川県の県鳥であるイヌワシをモチーフにした「いぬわし君」と「いぬわしちゃん」が印刷されています)。
現在ではさまざまな都道府県警がこれを取り入れていますが、そのなかでも有名なのは「千葉県」でしょう。千葉県は60台もの移動交番を有しています。成田空港内に存在する署以外の全警察署が移動交番を持っており、さまざまなシーンでこれを活躍させています。
移動交番は何ができる?
移動交番は、人が多く集まるところや犯罪が起こりやすいところでよく見られます。ただし、公民館などで開設されることもあります。
移動交番が行う業務は、一般的な交番とそれほど変わりありません。落とし物を受け付けたり、周囲の治安に目を配ったり、子どもたちの安全を守ったりします。また、警察の工法活動も行っています。
災害時には、「動ける交番」として警戒活動を行うこともできます。実際の業務も大切ですが、「地域の人と触れ合いながら治安維持活動ができること」「地域の人が、移動交番があることで安心すること」もまた、移動交番の持つ大きな魅力です。
ただ、移動交番に避ける人員には限りがあります。そのため、「いついっても、そこにある」というものではありません。開設される時間・場所はスケジュールによって決められています。多くの都道府県警では移動交番開設のスケジュールを公開していますから、興味のある人は一度足を運んでみてください。
まとめ
・「移動交番」は、本格的に導入されてから半年程度しか経っていない歴史の浅いものである
・石川県がまず導入し、千葉県で広くみられる
・各都道府県でオリジナルのデザインを採用しており、決められたスケジュールで動いている
・繁華街などを中心として開設されているが、公民館などで開かれることもある
・落とし物の届け出や子どもたちの見守り、治安維持活動に努めている
参考サイト
◆乗りものニュース「増える「走る交番」移動交番車 いま注目集まるワケ キャンピングカー型警察車両も存在」
◆石川県警察「移動交番者の活動」