台風一過、天候も回復して楽しい秋の行楽シーズンがやって来ました。
ハンドルを握る人間は、常に注意深く周りを見て、気を付けて運転をしなければいけません。
しかし、時に人は、不注意や居眠り運転によって事故を起こしてしまうことがあります。
このようなとき、私たちはどのように裁かれるのでしょうか?
居眠り運転=過労運転?
その時その時の状況にもよるので一概に言い切ることは難しいのですが、居眠り運転に関わる違反は、「過労運転」と「安全義務違反」の2つでしょう。
インターネットなどで調べていると、
「居眠り運転だということが認定されれば、過労運転とされる。過労運転は、基礎点数が25点で、3年以下の懲役または50万円以下の罰則に処される」
「警察官に『居眠り運転だ』と言ってはいけない、そうすると重い過失になる」
「居眠り運転は過労運転として処罰される」
という文言が出てきます。
これは本当なのでしょうか?
特殊な事例を除けば、「過労運転」とされることはない
実際の現場においては、居眠り運転=過労運転とされることはほとんどと言ってよいほどない、と元警察官は言います。
なぜなら、「居眠り状態であったこと」を立証することは極めて難しいからです。
運転を仕事にしている人ではない場合、その人が「過労の状態にあったこと」を証明する手立ては原則としてありません。たとえ本人が「居眠り運転をしていた」と言ったとしても、それを立証することはできないのです。裁判で覆される可能性がある以上、本人の申告を受けたとしても、軽々に過労運転だとすることはありません。このため、基礎点数が2点の「安全運転義務違反」が適用されるのが普通です。
ただし、例外もあります。
まず1つめが、「第三者がその場にいて、かつその第三者が『運転手は過労の状態であった』と証言した場合。
そしてもう1つは職業運転手の場合です。職業運転手(トラックやバス、タクシーの運転手など)の場合は、業務上のことであり、かつ会社に記録が残っていると考えられます。この場合は「証拠」があるため、過労運転として裁かれるケースが多いと言えます。
もちろん、罰則が小さいからといって居眠り運転を軽視してはいけません。このような事故や違反が起こることを防ぐために、きちんと睡眠をとり、注意して運転をしましょう。
まとめ
・過労運転とされれば25点の失点であり、重い罰則がある
・居眠り運転=過労運転ではない
・実際には、居眠り運転は「安全運転義務違反」とされるのが普通である
・居眠りをしていたことを立証することは、非常に難しい
・第三者の証言や、職業運転手の場合は過労運転と立件される場合がある