社会に出ると、しばしば、「インシデント」という言葉を耳にすることになるでしょう。
これの意味は何なのでしょうか。そして、実際にはどのような例があるのでしょうか。
実際に起こった例を交えつつ紹介します
インシデントとは
インシデントとは、「出来事」と直訳されます。しかしこの単語は現在、「そのままだと(大きな)事故につながっていた恐れのある事態」を指す言葉として使われるようになってきました。また、「ヒヤリ・ハット」という言葉で表されることもあります。
「そのときはたまたま運がよく大事故にはつながらなかったけれど、大事故になる可能性が極めて高かった事例」だと考えればよいでしょう。
実際にあった2つのインシデント
実際にあったインシデントを2つ、ご紹介します。
とある会社では、ファックスを送るとき、必ず2人がかりで行います。これは一見すると、非常にムダな行動のように思われます。人件費の削減が叫ばれるなかで、なぜこのような方法をとっているのでしょうか。
これには明確な理由があります。
昔この会社では、A社に送るべきファックスを、誤ってB社に送ってしまったという失敗が起きているのです。偶然この会社はBtoBの会社であり、かつB社の担当者も大変誠実な人であったため、誤送信が起きた直後に、B社から電話で「送り先が間違っている」という電話をもらうことができました。また、その電話で、「情報漏えいの恐れがないように、こちら側で、すぐに的確に処分した」と知らせてもらえたのです。
ただこれが、もし相手がB社でなかったのなら、そしてBtoBの会社ではなかったのなら、非常に大きな問題になっていたに違いありません。
また、「プライベート用の携帯で業務をやっていたことによって起こりうるインシデント」もあります。
携帯というのは非常に便利なものです。業務上必要な写真をとることやメモをとることも可能です。しかしこれを、誤ってSNSなどで公開してしまう人もいます。「今日の昼ごはんの写真をSNSにあげよう!」として、誤って仕事用の写真をつけてしまう、などです。
しかも現在のSNSは、電話帳ともリンクしていることがあります。1つの情報漏えいから、お客様の電話番号がすべて全世界に対して公開されてしまうということも……。
「カギをかけているから大丈夫」「なくさないから大丈夫」と思う人もいるかもしれませんが、人は絶対にいつかミスをするもの。インシデントに、あるいはトラブルに至らないように、しっかりと使い分けることが大切です。
まとめ
・インシデントとは、「ヒヤリ・ハット」のことである
・実際にファックスを送り間違えた例もある
・間違ってSNSなどにアップしてしまい、そこから大きな情報漏えいが起きることもある