飲酒運転によって加害者の人生がめちゃくちゃになるのは自業自得なのですが、被害者の方やそのご家族も非常につらい思いをすることになります。また、飲酒運転は人の命そのものを奪うものでもあります。
飲酒運転の死亡率は、それ以外の事故に比べて非常に高く、警察庁もマスメディアも警鐘を鳴らしています。
飲酒運転による死亡率はどれくらいか
2017年に発表された警察庁のデータでは、交通事故の死亡発生件数は3,757件だったということでした。
そのなかで、飲酒運転が占める割合は5.67パーセントということです。
これは一見すると、非常に少ない数字に見えるかもしれません。しかし他の事故と比べると死亡事故の発生件数はなんと8倍近い数字である、とされているのです。特に夜間の交通死亡事故の発生件数は、飲酒を原因(あるいは原因の一つであると考えられる)とするものがなんと25パーセントであるというデータも、ほかの資料で分かっています。
「飲酒運転で死亡がもっとも多かった年」は、1993年でした。これが最悪の年であり、なんと1,480件も死亡事故が発生し、数多くの人の命が奪われています。
2016年は221人となっていますが、200名を超える尊い命が「飲酒運転」という愚かな行為で奪われたことは事実です。
歩行者に気づかずに跳ね飛ばすケースも多く見られる
痛ましい交通事故のなかでも、特に多いのが、「歩行者の巻き込み」などです。全体の4分の1がこれに当てはまり、56名もの命を奪っています。
死亡事故の被害者となるのは、統計で見ると、60歳以上の高齢者が非常に多くなっています。特に75歳以上の人が多くなっている、とするデータもあります。
ただ、飲酒運転で起きた死亡事故では、10代~40代までの人も多く、全体の3分の1程度を占めています。
飲酒運転の恐ろしさは、「飲酒をして運転をしていた人間の命が失われること」にあるのではありません。
交通ルールを守り、きちんと周りを確認し、当たり前の日常生活を送っていた人の命を簡単に奪ってしまうことにあります。
「お酒を飲みたい」「タクシーを使うのがもったいない」「代行運転を頼む手間が面倒だ」というささいな事情によって、尊い人命を奪うことになるのです。
まとめ
・死亡事故の発生件数は、飲酒運転を原因とするものの場合は他の事故の8倍である
・高齢者も若年層も両方被害にあっている
・歩行者を巻き込む事故も多い
参考サイト
◆日本経済新聞:「飲酒運転、死亡率は他事故の8倍 警察庁16年」
◆警察庁:「平成29年における交通死亡事故の特徴等について」