今回は犬の熱中症対策を2回に分けてご紹介したいと思います。
1回めは原因と予防です。
熱中症の原因については、犬の体の仕組みとともに住環境についても簡単に解説しました。意外と気が付かないこともあるかと思いますので、この機会に確認してみることをおすすめします。
また、犬の熱中症の予防方法も分かりやすくまためましたので、参考にしてみてください。
犬の熱中症の原因
人は体温を下げるときに汗をかきますが、犬は汗腺が肉球の裏にしかないので発汗によって体温を下げることこができません。
そのため、舌や口内の粘膜によって体温を調節します。
最近は、こういった犬の体温調節機能では対応しきれないほど猛暑になる日も多く、したがって熱中症になってしまう頻度も増していると考えられます。
また、都市部では地表のほとんどがアスファルトで覆われていることも、犬が熱中症になる原因と言えます。
黒いアスファルトは太陽の熱を吸収しやすい性質がありますが、地面がアスファルトばかりだと熱の逃げ場がありません。
加えてアスファルトは、土のように雨水などの水分を一時的にためておき、日が差したらそれを蒸発させるということもできないので、それによって表面温度が下がるということもないのです。
夏の暑い日、アスファルトの表面にもわっとした熱が溜まっているのを感じたことのある人も多いのではないでしょうか。
小型犬だと頭部の高さは地面から30~40cmほどなので、この熱気のわだかまりにほぼ頭部が収まってしまいます。
大型犬でも65~75cmくらいですから、犬の頭部は人と較べてより気温の高い場所にあり、
こういった要因によって熱中症になりやすくなっているのです。
犬の熱中症の予防
犬の熱中症を予防するためには次のような方法があります。
①休憩は風の通る木陰で水分補給
散歩などの際はこまめに休憩をとりましょう。
長めに休むときは、日差しが遮れて風通しの良いところを選んでください。
休むときは、軽くて小さい平皿などで水を与えるのを忘れずに。
とくに熱い日は、水で濡らしてよく絞ったタオルを体や頭部にかけてあげるのも良いですね。
犬小屋の場所も、日差し遮れて風通しが良い場所にしてください。
エアコンの室外機の近くは熱気がたまるので避けましょう。
②水をかける
ペットボトルなどに水を入れておき、散歩や運動の後に犬の体にかけてあげましょう。
その際、飛沫が周囲に飛ばないよう注意して、濡れた体毛はすぐに拭くことをおすすめします。
公園などの水道は公共物ですから利用には十分に注意してください。
③放置しない
買い物などのときは、僅かな時間でも犬を放置しないようにしましょう。
締め切った自動車の中はかなり高温になるのでとくに注意が必要です。
外につないでおく場合は、時間が立っても直射日光が当たらない場所を選んでください。
まとめ
・犬の熱中症の原因のひとつは、発汗によって体温が下げられないことによる
・犬の頭部があるアスファルトの地表付近は温度が高く、熱中症になることが多い
・犬の熱中症を予防するためには、散歩などの休憩中に、「直射日光が当たらず」「風通しの良い」ところを選ぶ(犬小屋や場所も同じ)