暖房器具にはエアコン・こたつ・電気ストーブなど様々ありますが、その中でも石油ヒーターは火力が高く、部屋全体を暖めてくれて便利ですよね。寒い季節の強い味方である石油―ヒーターですが、使い方を誤ると一酸化炭素中毒の危険があることをご存知でしょうか?
石油ヒーターによる一酸化炭素中毒は、死亡事故も報告されています。寒さが本格化する中、石油ヒーターで命を危険にさらさないためにも、この機会に一酸化炭素中毒の怖さとその予防法について学んでおきましょう。
一酸化炭素中毒とは?
人間の生命維持には酸素が必要です。酸素を体中の隅々まで運搬してくれるのが、血液の中にあるヘモグロビンです。ヘモグロビンは酸素と結びつくことによって体中に酸素を供給しますが、酸素と一酸化炭素だと一酸化炭素と結びつきやすいという特徴があります。ヘモグロビンと一酸化炭素が結びついてしまうと、ヘモグロビンによって運ばれるはずの酸素が運ばれなくなり、低酸素状態を引き起こします。これが一酸化炭素中毒です。
一酸化炭素中毒になると、頭痛・めまい・吐き気・耳鳴りといった症状を引き起こします。中毒症状が進行すると体の自由が奪われ、そのまま昏睡状態に陥り、死に至ることがあります。一酸化炭素の初期症状である頭痛や吐き気は風邪の症状に似ているため気が付きにくく、気が付いた時には体の自由が奪われているため、非常に危険です。
東京消防庁の調べによると、家庭における一酸化炭素中毒事故は例年12月~1月に多く、春先にかけても報告例が発生しています。今の時期・これからの時期に気を付けるべき中毒と言えるでしょう。
石油ヒーターが一酸化炭素中毒を起こしやすいのはなぜ?
石油ヒーターは酸素を使って燃料を燃やし、発熱しています。ところが、室内の酸素が減ってくると燃焼が上手くいかず、不完全燃焼を引き起こすことがあります。不完全燃焼が起こると一酸化炭素が発生し、空気中における一酸化炭素中毒の濃度が一定量に達すると、一酸化炭素中毒を引き起こします。
石油ヒーターの他にもボイラーやガス給湯器などでも、一酸化炭素中毒が発生しています。
一酸化炭素中毒を予防するための方法
一酸化炭素は無臭であるため、部屋中の一酸化炭素の濃度が高くなっても気が付かないことがほとんどです。一酸化炭素濃度が高くならないよう、意識的かつ早めからの行動を心がけることが、一酸化炭素中毒を予防する上で不可欠です。
一酸化炭素中毒を予防するために最も大切な行動は「換気」です。換気をすると室内の酸素不足を解消できるとともに、発生した一酸化炭素を外へ追い出し、空気中の一酸化炭素濃度を下げることができます。換気をすると部屋が寒くなってしまうため、つい怠ってしまいがちですよね。でも、一酸化炭素中毒を予防するためにも、一時間に1~2回を目安に必ず換気を行いましょう。換気をする時は窓を2か所開けて、空気の流れが発生するように心がけてください。
まとめ
・家庭における一酸化炭素中毒は、石油ヒーター使用時の酸素不足や、不完全燃焼によって引き起こされる
・症状は「頭痛・めまい・吐き気・耳鳴り」といった風邪に近いものである
・一酸化炭素中毒が進行すると体の自由が奪われ、死に至る確率がぐっと高まる
・一酸化炭素中毒の予防のために、1時間に1~2回換気を行う