2016年8月24日未明に発生したイタリア中部のノルチャという町を中心にマグニチュード6.2クラスという大きな地震が発生し、26日朝の段階で死者247人という大きな被害を出しています。
救助隊ががれきの下から生存者を救助する為に活動していましたが、歴史的な古い建物が多数残されていたアマトリーチェという町では、多くの建物が崩壊して被害が大きくなったとの事です。
しかし、イタリアはもともと火山が多く西暦62年には南部のカンパニア地方で大きな地震が記録されていたりします。
直近にあった地震を例として紹介したいと思います。
ラクイラ地震の概要
昨年発生した地震と近い場所で起こった震災
2009年1月~4月の間、イタリア中部のアブルッツォ州ラクイラ県では群発地震という集中して続く地震に悩まされていました。
そして2009年4月6日午前3時32分マグニチュード6.3の地震が発生、死者308名を出すという大きな被害が出ました。
群発地震により屋外退避していた人が多かった事が被害の縮小に役立ちました。
原因となったのはユーラシア大陸のプレートとアフリカ大陸のプレートからなる断層があり、ラクイラでは二つのプレートが衝突していた事で、歴史的にも地震が多い地域でした。
ラクイラ地震ではイタリアの首都ローマも被害を受け、カラカラ浴場という史跡の一部が損壊するといった被害が出ています。
震源地のラクイラも歴史的な教会などが多くあり、損傷を受ける被害や観光客が巻き込まれるといった事が起こっています。
特に大きな被害が出たのはオンナという町で、建物の半分が崩壊し43名もの犠牲者を出しました。
ラクイラ地震で特徴的なのは、地震を予測していた科学者と大きな地震は起こらないと予測していた科学者それぞれが裁かれるという事が起きています。
予測していた科学者は地震が起きる前に根拠が不明確という事で「社会を混乱させる」という理由から裁かれ、大きな地震は起こらないと予測した科学者たちは4月6日の大きな地震が起きる前の3月31日に大地震の起こる可能性は少ないと発表した事で、群発地震で屋外に避難していた人たちが自宅に戻り被災した事から裁判に訴えられています。
地震予測は難しい事ですが、その内容を発表するも難しいと感じさせる話です。
イタリア北部地震の概要
今から4年前にも大きな地震が起きていた
2012年5月20日午前4時3分、イタリア北部の街ボローニャ市の北方36km地点でマグニチュード6.0の地震が発生し、続く5月29日午前9時にもマグニチュード5.8の地震が発生しました。
この地震による死者は26名と比較的少なく済みましたが、フェラーラ市という街にあるエステンセ城という14世紀に建てられた城が崩壊するといった被害が出ています。
イタリア北部地震に関する特徴としては付近にある油田からの採掘といった人為的な行為がすでに限界まで張りつめていたプレートを刺激して地震発生に繋がったと考えられ調査が進められています。
ラクイラ地震では科学者が処罰される結果となりましたが、原因究明に関する研究がこれからも積極的に行われる事が期待されます。
2016年8月24日のイタリア中部地震でも多くの歴史的建造物が被害に遭い、観光客が大勢巻き込まれていると言います。
25日もマグニチュード4.3の余震が発生し救助活動が遅れており、一刻も早い生存者の救出が行われるよう祈るしかありません。
まとめ
・イタリアは地震が起きやすい土地である
・ラクイラ地震では長期間余震が続いた末に大きな地震が起きた
・2012年のイタリア北部地震では人為的な行為が震災に繋がった可能性が指摘されている
参考サイト
◆イタリア北部の地震で6人死亡、歴史的建造物にも被害 ロイター通信