「胃腸炎」も、発生しやすい月と発生しにくい月があります。
今回は、秋から増え始める「感染性胃腸炎」について取り上げます。
秋から冬にかけて起こりやすい「感染性胃腸炎」
感染性胃腸炎は、11月の上旬から患者数が増え始める病気です。1年でもっとも多いのは12月です。秋あたりから特に警戒が必要な病気であるため、気を付けていきたいものです。
感染性胃腸炎は、ウイルスなどによって引き起こされます。ただ、細菌や寄生虫によっても引き起こされることもあります。ウイルスのなかでもっとも有名なのは、「ノロウイルス」と「ロタウイルス」でしょう。
ノロウイルスが原因となる場合は、下痢や腹痛といった、胃腸炎の代表的な症状が引き起こされます。また、吐き気からの嘔吐が起きることもあります。
ロタウイルスの場合は、下痢や嘔吐のほかに発熱が起きることもあります。子どもがロタウイルスに感染した場合は、けいれんまで起こることもあり、とても危険です。
ノロウイルスの場合は、1~2日程度、ロタウイルスの場合は5~6日ほど悩まされます。ただ、これに感染しても症状が起きないケースもあります。
原因と予防、そして治療
「感染性胃腸炎」は、その名前からも分かるように、感染型です。
接触感染でも経口感染でも広まりますが、その分、予防することも比較的容易です。まず、食べ物を扱う際は石けんを使ってきれいに手を洗いましょう。また、感染性胃腸炎に感染した人の嘔吐物などを触る際は、必ず使い捨てのマスクや手袋、エプロンを使うようにしてください。使い捨ての手袋をしての処理であっても、その後によく手を洗うことが求められます。まだ感染性胃腸炎かどうか診断されていないという状況の場合も、マスクや手袋を使って処理をすると安心です。
ノロウイルスもロタウイルスも、カキのような二枚貝によって引き起こされることが多いとされています。ただ、汚染されてしまった食べ物ならば何を食べても感染性胃腸炎になる可能性があるため、「二枚貝じゃないから大丈夫」と考えるのは危険です。どの食べ物が原因となったのかを断言できないケースも多く見られます。
まとめ
・感染性胃腸炎は、秋から冬にかけて起こりやすい病気である
・特にノロウイルスとロタウイルスが有名
・どちらも下痢や嘔吐を伴うケースが多いが、ロタウイルスの場合は発熱することもある
・カキなど二枚貝が原因となることが多いが、ほかの食べ物も安心できない
・手洗いをよくし、嘔吐物の処理などにはマスクや手袋、エプロンを使う必要がある