胃腸炎になると下痢や吐き気、嘔吐が続き、辛い思いをするものです。人によっては、発熱や頭痛などの症状も表れます。胃腸炎に苦しめられている時は、少しでも早く楽になりたいと思うものでしょう。
胃腸炎は秋から春にかけて寒い時期に流行しますが、夏も油断はできません。寒い時期にはロタウイルスやノロウイルス、暑い時期にも胃腸炎の原因となる様々な細菌が存在しているからです。
では、もし胃腸炎に罹ったらどのように過ごせばいいのでしょうか。今回は、胃腸炎を楽にする対処法についてご紹介いたします。
胃腸炎の原因や主な症状
胃腸炎は年間を通して感染します。特に寒い季節になると、ノロウイルスやロタウイルスなどによる感染性胃腸炎の患者が増加傾向にあります。
胃腸炎の主な症状は、下痢や腹痛、吐き気、嘔吐等です。人によっては発熱や頭痛といった症状もみられます。
ノロウイルスやロタウイルス、アデノウイルス等による胃腸炎の場合、抗ウイルス剤はなく対症療法が用いられます。細菌性の胃腸炎の場合は、抗生物質が効果的です。
胃腸炎を楽にする方法とは
胃腸炎の場合、通常2~4日程度で症状が収まりますが、下痢や嘔吐が続くのは辛いものです。ここからは、胃腸炎に罹った時に症状を楽にする方法を紹介いたします。
少量の水分をこまめに補給する
胃腸炎になった時は、少量の水分をこまめに補給し続けるといいでしょう。水分補給をしないと脱水症状のリスクが高まり危険です。胃腸炎の場合、下痢や嘔吐、人によっては発熱による汗などで大量に水分が排出されています。その為、脱水が進まないように水分補給が必要なのです。
水分をとる時は、常温のスポーツドリンクを選びましょう。スポーツドリンクが電解質のバランスを整えてくれます。水分補給する時は、一度で飲むのではなく、はじめはスプーン1杯程度から始めましょう。様子をみながら、十数分置きに摂取するようにするのがポイントです。水分をとった時に嘔吐しなければ、少しずつ量を増やすといいでしょう。
無理に食事をとらない
胃腸炎による下痢や嘔吐等の症状がある時は、食事を抜いた方がいいでしょう。食事をとると体力がつき、早く回復するように思えるかもしれませんが、これは逆効果です。食べ物が腸に刺激を与え、下痢や嘔吐を悪化させる可能性があるからです。
胃腸炎の時は、様子を見ながら数時間程度食事を抜き、症状が落ち着いてきた時に消化の良いものを少しずつ食べましょう。一気に食べてしまうと胃や腸に負担をかけてしまうので注意します。
市販の下痢止め薬をすぐに飲まない
下痢症状を抑える為に下痢止めの薬を飲む人は多くいますが、胃腸炎の時に下痢止めの薬を飲むのは控えましょう。下痢止めが回復を遅らせる恐れがあるからです。
胃腸炎に感染すると、ウイルスを体外に排出する為に下痢や嘔吐といった症状が表れます。下痢止めでウイルスの排出を止めてしまうと、症状を長引かせてしまうのです。
下痢が続いて辛い場合は下痢止めの薬ではなく、ウイルスの排出を阻害しない整腸剤を選ぶといいでしょう。
症状が悪化した場合は医療機関を受診する
先述した通り、通常3日前後で胃腸炎の症状は治まりますが、もし症状が悪化した場合は医療機関を受診した方がいいでしょう。特に小さい子どもや高齢者の場合は脱水症状のリスクが高いので、早めの受診を心掛けます。
まとめ
・胃腸炎に罹った時は少量の水分を小まめに補給する
・常温のスポーツドリンクをスプーン1杯飲むことから始める
・数時間程度食事を抜く
・吐き気が治まったら消化の良い食べ物を少しずつ食べる
・回復を遅らせる可能性があるので下痢止めを飲むのは控える
・症状が悪化したら速やかに医療機関を受診する