日本は地震大国だといわれています。2022年の現在に至るまで、数多くの地震やそれに伴う災害に見舞われてきました。
ここでは過去の震災を取り上げるとともに、その震災の実態を「知る」ことの意味について解説していきます。
過去の大きな震災と、それがもたらしたもの
多くの震災に見舞われてきた日本ですが、ここではそのうちのいくつかをピックアップし、そこから得られた教訓を記していきます。
・関東大震災
1923年に起きた関東大震災は、10万人もの死者を生み出しました。日本における地震のなかで最大の被害をもたらしたものであり、都市機能もマヒ・喪失しました。また、デマによって殺人事件が起きるなど、数多くの問題を生じさせた地震でもあります。
しかしこの地震からの復興段階で、都市計画が論じられたり、地域の人たちでお互いを助け合っていこうという価値観が生まれたり、経済的損失を埋めようとする経済活動が行われたり、為政者によるリーダーシップが発揮されたりもしました。
・福井地震
福井地震は1948年に起き、3728人の死者と多くの住宅の倒壊をもたらしました。この福井地震によって、「震度7」という概念が生まれたとされています。
福井地震によって、「地震は場所を問わずに起きて、そしてそれを完全に予知しきることはできない」「耐震改修は非常に重要である」「住宅が密集しているところでは、特に地震火災への対策を講じることが重要になる」「自分たちの力で復興していくことが、モチベーションにつながる」などの教訓が得られました。
これはその後に起きる地震においても、重要な概念となっています。
・阪神・淡路大震災
6434人もの命を奪った阪神・淡路大震災は、1995年に起きました。また。震災直後には命を失わなかったものの、その後に病などで亡くなる「震災関連死」が900人にも上ったと指摘されている地震でもあります。
この震災は、「家具を固定することの重要性」「被害を早期に評価できるシステムを作ることの必要性」「救援物資などを速やかに運ぶことのできるルートの確保を行うべきという考え方」「トリアージの徹底」などの教訓を私たちにもたらしました。
・東日本大震災
未だに記憶に新しい東日本大震災は、2011年に起こりました。15899人もの死者数を記録したこの震災では、「ご高齢の方や障がいを持った人が多く犠牲になったこと」「津波による被害が甚大であること」「防災の取り組みをしっかり行ったとしても被害をゼロにすることはできないこと」を私たちに伝えました
しかし同時に、「配慮が必要となる人への支援方法」「津波が起きたときの対応方法」「防災の取り組みを行うことで、被害を小さくできるという認識」などが生み出されました。
震災を100パーセント防ぐことはできず、また100パーセント予防することもできません。どれほど学ぼうと、失われた人命が戻ることもありません。
しかし過去の震災を知り、それから得られた教訓を生かすことで、「次に起こる震災」の被害を小さくことは可能です。
まとめ
・日本はよく地震に見舞われる国であり、多くの人命が失われてきた
・しかしそこから得られた教訓もある
・被害を知り、教訓を学ぶことで、「次に起こる震災」の被害を小さくすることはできる
参考サイト
◆内閣府「1948年6月 福井地震 その2」
◆内閣府「1923 関東大震災」
◆福井地方気象台「福井地震」
◆内閣府「5.阪神・淡路大震災の教訓とそれを踏まえた災害対策について1」
◆サイエンスポータル「東日本大震災の教訓を生かして―「3.11」を防災教育と災害伝承の日に―今村文彦・東北大学災害科学国際研究所長・教授」
◆WAMNET「災害対策マニュアル」