甚大な被害を及ぼした3.11では、多くの人の命が奪われました。最大規模の震災は今もなお、大勢の人の記憶に残っているはずです。地震大国である日本では、3.11以降も人的被害が生じた地震が数多くあります。今後もいつどこで被害地震が発生してもおかしくありません。誰でも地震の被害に遭う可能性があるのです。
ですが日常生活を送っていると、災害は対岸の火事であるように思える事があります。そこで今回は、3.11以降に国内で人的被害が生じた被害地震の回数をご紹介いたします。この機会に地震について知識を得て、危機管理能力を高めましょう。
被害地震とは
程度や種類に関係なく、被害が生じた地震を被害地震と呼びます。これまでの傾向からM6.5以上で何らかの被害が生じやすいでしょう。ただし震源の深さや地盤の状況によっては、M5以上の地震で被害が及ぶこともあります。
被害程度が大きい地震は定期的に発生しています。活断層で発生する地震は10年に1回程度、海溝型地震が20年に1度程度確認されています。東日本大震災や今後発生が懸念されている南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震は海溝型地震です。
3.11以降に発生した被害地震について
地震大国である日本では、多くの地震が発生しています。その中でも人的被害が生じた被害地震の回数は、2011年3月に発生した3.11から2021年12月3日に紀伊水道で発生した地震までに70回でした。
年別で見ると、2011年3月11日以降、12月31日までの被害地震は14回です。
2012年以降の被害地震については、次の通りです。
・2012年 7回
・2013年 7回
・2014年 6回
・2015年 5回
・2016年 7回
・2017年 4回
・2018年 3回
・2019年 6回
・2020年 5回
・2021年 6回
平均すると毎年6回程度、被害地震が発生していることが分かりますが、2011年の被害地震は他の年に比べて倍以上多いでしょう。
被害程度は地震によって様々です。負傷者や死者、行方不明者が発生するといった人的被害が及ぶケース、住宅一部破損や住宅半壊、住宅全壊等の物的被害が及ぶケース、人的被害と物的被害のどちらも生じるケースがあります。
近年発生した被害地震の中で被害程度が大きいのが、2021年2月13日に発生した福島県沖地震です。M7.3、最大震度6強、死者1名、負傷者187名。物的被害は住家全壊69棟、住家半壊729棟、住家一部破損が19,758棟という被害が確認されています。
同年10月7日には、千葉県西部でも被害地震が発生しています。M5.9、最大震度5、負傷者は49名、建物火災1件が発生しています。
また先述した通り、マグニチュードに注目すると、3.11以降ではM5以上で被害が生じていることが分かりますが、3.11より前には新潟県中越地方でM4.9の被害地震が発生していました。この地震の最大震度は4、負傷者が1名となり、店舗のガラスが数枚破損する被害が生じています。
マグニチュードが大きくなるほどより被害が及びやすくなりますが、M4.9で生じる事例もあるので油断は禁物です。地震大国である日本では、1人1人が日頃から地震に備えて、被害を最小限に抑える”減災”を心掛けることが大切です。
まとめ
・被害程度に関わらず何らかの被害が生じた地震を被害地震と呼ぶ
・M6.5以上で何らかの被害が生じやすい
・震源の深さは地盤によってM5以上で被害が生じることがある
・活断層で発生する地震は10年に1回程度、海溝型地震は20年に1回程度発生している
・2011年3月11日から2021年12月3日までに発生した被害地震は70回
・平均すると毎年6回程度の被害地震が発生している
・日頃から地震に備えることが大切