みなさんは、ジェネリック医薬品とはどのようなものかご存知でしょうか。ジェネリック医薬品という言葉を見聞きする機会はあっても、実際はよく知らないという方が多くいます。そして分からないまま薬局でジェネリック医薬品を勧められ、価格が安くなるならいいかと、了承する方も少なくないでしょう。
今回はジェネリック医薬品と新薬との違い、メリット等、意外と知られていないジェネリック医薬品について詳しくご紹介いたします。
ジェネリック医薬品とは
ジェネリック医薬品とは、有効成分や安全性が新薬と同等だと認められた医薬品のことです。ジェネリック医薬品が販売されるまでには厚生労働省の許可を得て、規格試験や安定性試験、生物学的同等性試験等の様々な試験を実施しています。厳しい基準をクリアしているので安心して服用することができます。
では、ジェネリック医薬品と新薬の違いは何でしょうか。
それぞれ比べた時に、大きく異なるのは価格です。ジェネリック医薬品は新薬よりも低価格となり、3~6割安くなります。これには開発費が関係します。新薬の場合、約9年~17年といった長い時間をかけて研究開発しています。それに伴い、数百億から数千億円の莫大な開発費がかかりますが、薬の価格にはこれらの費用が加味されているのです。
一方、ジェネリック医薬品の開発費は約1億円です。有効性や安全性等が確認済みの成分を使用しているので、開発期間も約3~5年と短くなります。新薬開発コストが抑えられるので、安く提供することができ、患者の負担軽減にもつながるのです。
価格以外では、味や香り、大きさといった飲みやすさも改良されていることがあります。ジェネリック医薬品は新薬が開発されてから数年、もしくは数十年後に開発されるものです。その為、新しい技術によって味が改良されたり、新薬よりも小型化されることが多いでしょう。飲み間違い防止の為に、薬の表示方法が改良されることも増えています。
ジェネリック医薬品と国民医療費との関係
ジェネック医薬品は、国民医療費にも関係します。日本では国民皆保険、つまり国民が何らかの保険に加入しているので、患者は医療費の一部を負担しています。残りの医療費は、健康保険組合または市区町村が負担します。
財源は国民一人ひとりが支払う保険料と公費。医療費は増加の一途を辿っています。現状では、日本でのジェネリック医薬品の浸透率はそれほど高くないでしょう。ですが、ジェネリック医薬品は医療費の削減、医療保険制度の維持につながるとしてジェネリック医薬品を使用することが推進されているのです。
ジェネリック医薬品を頼むには
患者は新薬とジェネリック医薬品のどちらを服用するか、自身で選択することが可能です。ジェネリック医薬品を頼みたい時は、医師や薬局で相談しましょう。日本ジェネリック医薬品学会では、「ジェネリック医薬品お願いカード」というものを提供しています。薬剤師に、処方せんと一緒にこのカードを渡すことによって新薬からジェネリック医薬品に変更したいという意思表示ができます。
ただし、全ての医薬品がジェネリック医薬品に変更できるわけではありません。処方せんを見た時、「変更不可」という欄が空白の場合は、ジェネリック医薬品に変更可能です。もし「✓」や「×」という印がある場合は、ジェネリック医薬品への変更ができません。
また、ジェネリック医薬品は新薬と同等の安全性だと認められているものの、副作用が発生する可能性はゼロではないでしょう。安心して使用する為にも、医師や薬剤師とコミュニケーションをとることが大切なのです。
ジェネリック医薬品を選択することは薬代の負担を軽減させることにもつながるので、一度検討してみてはいかがでしょうか?
まとめ
・ジェネリック医薬品は新薬と同等だと認められた医薬品
・ジェネリック医薬品は新薬開発コストが抑えられるので価格が安くなる
・味や香り、飲みやすさ等が改良されている
・ジェネリック医薬品は医療費の削減、医療保険制度の維持につながる
・医師や薬剤師に相談することでジェネリック医薬品を頼むことができる
・ジェネリック医薬品に変更できない医薬品もある