近年のグローバル化により、海外旅行は私たちにとってよりいっそう身近なものとなりました。
しかしそれと同時に、最近は世界各地で自然災害が頻発しています。
海外旅行をしている時に災害に巻き込まれてしまう可能性は決してゼロではありません。
万が一、海外の旅行先で災害に巻き込まれてしまったならあなたはどうしますか?
海外で災害に巻き込まれた時の対処法を前もって知っておくなら、もしもの時に落ち着いて行動できます。
災害に巻き込まれる可能性を低くする
外務省からの情報をWEBでチェック

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過去に災害が頻発している地域への旅行は、災害に巻き込まれるリスクを高めます。
不必要にそうした場所を訪れることを避けるなら、災害に巻き込まれてしまう可能性を最小限にすることができます。
外務省は「外務省 海外安全ホームページ」を開設しており、渡航者が前もって現地の情報を知ることができるようにしています。
そこには世界各地の火山の噴火、洪水、ハリケーン、地震等に関する最新情報や過去の情報が掲載されています。
旅行の計画を立てる際に、その情報を参考にして訪問先を決めることができるでしょう。
◆参考リンク:外務省 海外安全ホームページ
災害が起きると想定し、もしもの時の計画を
事前の準備が大事
とはいえ、仕事の都合で行き先が指定されていたり、安全だと思っていた場所で予期せぬ災害に巻き込まれてしまうこともあるかもしれません。
そのような場合、前もって災害に巻き込まれた時の「計画」を立てておくことが役に立ちます。
例えばツアー旅行であれば、旅行会社に災害時の対応策を確認しておくことができます。
個人旅行であれば、現地の日本大使館の住所や連絡先、現地にいる知人の住所や連絡先を調べておくことができるでしょう。
また自分が「いつ・どこで・何をしているか」という旅行計画を、日本にいる家族や友人に伝えておくことも大切です。
災害の際には電話やインターネットといった現地の通信手段が混乱することが予想されます。
緊急時にいち早く連絡を取り合うためには、自分の状況を他の人に認識しておいてもらうことが重要です。
また外務省のWEBサイトでは、海外に3ヵ月以上滞在する際には在留届けを提出すること、3ヵ月未満の際には「たびレジ」というサービスを活用することが勧められています。
これは「旅行日程・滞在先・連絡先」などを登録することによって、滞在先の最新の渡航情報や緊急事態発生時の連絡メール、また、万一の場合の緊急連絡が受け取れるというサービスです。
これらはすべて外務省のWEBサイトで簡単に登録することができます。
◆参考リンク:外務省 たびレジ
災害に巻き込まれた時にできること
災害は予期せぬ時に突然生じます。
万が一、海外で災害に巻き込まれたら、具体的に何ができるでしょうか。
1 身の安全を確保する
落ち着いて行動することが大切です。
とはいえ、言語の通じない慣れない海外の土地では、具体的になにをどうすればよいかが分からず不安になるものです。
可能であれば、なるべく早く現地の事情に精通している人と合流し一緒に行動しましょう。
万一の時に助けてくれる現地の人に、自分の居場所や連絡先を前もって伝えておくことができます。
当面の身の安全を確保できる場所に、なるべく早く移動することも重要です。
災害発生時の移動手段の選択には良い判断力を働かせてください。
インドネシアでは過去に発生した地震の際に、津波を恐れて避難する車やオートバイで大渋滞が発生し、安全な場所への移動にロスが生じたという事例が報告されています。
このように、状況によっては徒歩で移動することが最善の場合もあります。
街中を移動する際には、看板やガラスなどの落下物や交通事故に十分気をつけてください。
また、災害時には悪質な犯罪も横行します。
特に言語能力や地理感覚の弱い旅行者は、犯罪者に狙われやすいものです。
なるべく単独行動を避け、信頼できる人と行動しましょう。
2 在外公館と連絡を取り合う
「在外公館」とは、海外に拠点のある日本の大使館や総領事館のことです。
在外公館には、海外において日本人の生命・財産を保護するという重要な任務があります。
海外での災害発生時には、現地の日本人の安否を確認したり、出国の支援を行ったりするなどの援助を行います。
そうした支援を受ける為には、前述したように在留届けや「たびレジ」の登録といった備えを前もって行うことが大切です。
現地で旅行の計画が急に変更になった時や、在外公館の所在地から離れた地方を訪問する際には、自分の状況の最新情報を家族や友人に密に連絡するようにしてください。
災害から身を守るうえで
大切なのは自分の意識
これまで考えてきたことまとめると、災害から身を守るうえで大切なのは、前もった備え、落ち着いた行動、そして支援を活用することです。
とはいえ、もっとも重要なのは「自分の身は自分で守る」という意識を各自が持つことです。
この意識がない人は、前もってできる十分な備えをせず、緊急時には他の人に多大な迷惑をかけます。
普段から責任ある行動を心がけ、自分の安全に対する高い意識を持っているなら、海外で災害に巻き込まれたときにも落ち着いて対処することができるに違いありません。
まとめ
◆海外旅行時に災害に巻き込まれる可能性はゼロではない。防災には事前の準備・計画が重要
◆外務省のWEBサイトを使って、積極的な情報収集や情報登録を
◆万が一、災害に遭遇したら落ち着いて行動し、現地に詳しい人や在外公館(大使館など)に助けを求めよう