日本は海に囲まれた環境という特徴から、日々資源を海運に頼り豊富な海洋資源を漁師が漁船で大洋へと繰り出して収穫して来ます。
遠方へ行く時にも、飛行機が使われる様になった一方で自動車も運べるフェリーを利用し、客船による船旅そのものを楽しむという方もいます。
一方で、日本は台風が沢山通る場所であり洋上で嵐に巻き込まれる危険が多く、地震などの影響により津波が起こる事や大雨の影響で高潮が起こる事もあります。
海上保安庁のデータを基に、どの様な危険性に気を付けるべきか調べてみました。
台風の危険性
過去には軍隊も大きな被害を受けた。
海洋で最も危険な出来事として嵐に遭遇する事が挙げられます。
日本では1935年9月に三陸沖で台風に巻き込まれた日本海軍艦艇が大損害を出した第四艦隊事件で駆逐艦2隻が船体を切断され、空母2隻駆逐艦4隻が重大な損傷を負い、他にも重巡洋艦などの大型艦艇まで損傷を受けるという大事件になりました。
近年は外洋で台風に遭遇した場合よりも、港で巻き込まれて強風や高潮の影響により陸に乗り上げてしまう乗揚げ事故が多く報告されています。
例えば2004年の台風18号は日本全国で1592隻もの船が沈没・流失・破損といった損害を被っています。
タンカーの様な大型船舶であれば、嵐に対してもある程度の耐久性がある為、外洋へと避難する事が推奨されています。
しかし、小型の船が外洋で耐え忍ぶのは危険極まりないので、通常は避難港または避難泊地と呼ばれる安全な場所が調べられて、そこへ避難するように誘導されます。
特に台風が多く通過する沖縄県では、物資を運ぶ定期船が欠航する事も多い為に避難泊地の建設が急がれています。
船旅をする時は天気予報をしっかりチェックして、運行の状況を調べておきましょう。
船舶同士の衝突事故
日本で最も多い船舶事故
船舶事故で頻繁に起こる人為的なものに衝突事故があります。
2007年~2012年の間に発生した海難事故のうち、3割に相当する3675隻が衝突事故を落とした船です。
特に湾内やふくそう海域と呼ばれる、漁業やレジャーが行わると共に商用船舶の往来が激しい場所で殆どの事故が発生しています。
事故を起こす種類として最も多いのは漁船やプレジャーボートなどの小型船舶ですが、貨物船による事故も目立ちます。
原因として挙げられるのは、見張りが不十分だった事や適切な操船が出来ていなかった事、エンジン等が故障してしまうという人為的なミスが全体の8割を占めています。
これらの衝突事故を減らす為に、AIS(船舶自動識別装置)と呼ばれる地上の施設に自身の位置と速度針路を知らせて、衝突の危険があれば誘導して貰える装置の普及が進んでいます。
もし、旅行などで船に乗る事があったら、周囲の景色を楽しむと同時に向かってくる船や目で見て分かる浅瀬があれば船員へ伝える様にしましょう。
まとめ
・台風によって過去大きな海難事故が起きている
・船旅の時は天気予報をチェックしよう
・日本で多い船舶事故は衝突事故
・船に乗る時は景色を楽しむのと一緒に衝突しそうな船や浅瀬に注意しよう
参考サイト
◆海難統計等 海上保安庁
◆海難の現況と対策について~大切な命を守るために~(平成24年度版)海上保安庁
◆台風による災害の例 気象庁