海などに行った時に、「人がおぼれている!」ということに気づいたときにはどうしたらいいのでしょうか。
その基本を見ていきます。
水難関係の事故~毎年、何人かの人が「人を助けるために」亡くなっている
もっとも水難関係の事故が多いのは、「海」です。平成28年の警察庁のデータによれば、816名が、さまざまな理由で行方不明になってしまったり、亡くなってしまったりしています。
そしてその原因の一つとして、「人を助けるために命を落とした」という事故があります。
目の前で誰かがおぼれている。
友達が海に入って浮かんでこなくなってしまった。
子どもを助けるために、救助に向かった親御さんが犠牲になった。
このような痛ましい事故は、数の増減はあるものの、毎年発生しています。
平成28年には13名の方が、近年ではもっとも人数の少ない平成27年であっても5名の方が、人を助けようとして亡くなっています。
おぼれている人を助けるための基本
目の前でだれかがおぼれているのなら、それを助けたい! と考えるのはごく自然なことです。
しかしまったく何の準備もなく飛び込んでしまっては、あなたまでおぼれてしまう可能性があります。これはあなたの命を危険にさらすだけでなく、要救助者を増やすことにもつながってしまいます。
おぼれている人がいたのなら、まず周りに助けを求めましょう。そして119に連絡をして、助けを要請します。
そのうえで、ロープなどを要救助者に投げましょう。投げる際は、「投げること」を大声で伝えます。
ロープがない場合は、衣服を脱いで、それをつなげてロープ代わりにしましょう。それも難しいということであれば、わずかに水を入れたペットボトルや空になっているクーラーボックスなどを投げ込みます。これらは浮輪の代わりとなるからです。
基本的には、「自分たちが水に入って助けにいくこと」は避けるべきです。特に、1人だけで泳いで助けにいくのは危険極まりのない方法です。人の命を助けるためには、「陸上」からの救助が何よりも大切なのです。
海での事故は、決して他人事ではありません。だからこそ、正しい知識を持って助けに向かいたいものです。
まとめ
・毎年数名~20名ほどの人が、「人を助けに行ったこと」で、亡くなったり行方不明になったりしている
・「1人で」「海に入って」「泳いで助けにいく」というのはとても危険である
・人を助けるためには、道具を使う
・ロープやつなぎあわせた衣服、ペットボトルやクーラーボックスなどが、要救助者の命を助ける道具になる
参考サイト
◆警察庁「平成28年における水難の概況」
◆独立行政法人国立青少年教育振興機構「川でおぼれた人を助けるには」
編集部追記
海の事故では119番(消防署)、118番(海上保安庁)どちらに掛けようか迷う方もいると思いますが、先ずは一刻も早く連絡する事が大切です。
一般的に言えば、119番は海岸付近の事故、118番は、沖に流されてしまったり、自分自身が漂流した時に掛けて頂ければ良いと思います。