冬になると天気予報などで「乾燥しているので火事に注意してください」とアナウンスされることがあります。
なぜ冬場は「乾燥」するのか、原因をご存知でしょうか?
日本の冬は西のシベリア方面からとても冷たい湿った寒気が日本海側に南下してきます。
寒気により凍った水分を含んだ雲が育ち、日本海側に雪をたくさん降らせます。
さらにその寒気は太平洋側へと移動していきます。
雪を放出することによって水分が減った冷たく乾いた空気だけが山を越えて、太平洋側に吹きおろしてきます。
こうした気象条件によってとくに太平洋側では冬に空気が乾燥し、火災が発生すると乾燥によって広がりやすくなってしまうのです。
今回は火事や火災の原因と、その予防方法をご紹介します。
ご家庭での「火の用心」にお役に立ててもらえれば幸いです。
火事や火災の原因
東京都消防庁によると、平成26年の主な火災の原因として次のようなものが挙げられています。
住宅の密度や集合住宅の数など都市部と郊外では火災の原因も若干異なると思われますが、ご家庭内で取り扱いに注意したいものとして覚えておくと良いのではないでしょうか。
放 火:1,381件
タバコ:710件
火遊び:76件 ※行為者が14歳未満で火遊びを目的として出火させた火災を指します。
ライター:46件
電気設備機器:1020件 ※電気ストーブ、電気クッキングヒーター、電子レンジなどを含みます。
ガス設備機器:623件 ※家庭で使われるものとしては、主にガステーブルやガスコンロなどです。
石油設備機器:35件 ※石油ストーブなどが該当します。
(参照元:出火原因別火災状況・東京消防庁)
火事や火災の予防
それではどのようにして火事や火災を予防すれば良いでしょうか。
前述の原因に照らし合わせて予防法をご紹介します。
放火
・燃えやすいものを家の外に放置しないように注意して、ゴミもできるだけ朝に出すようにしましょう。
タバコ
・少しでも眠気のあるときはタバコを控えましょう(寝たばこは厳禁です)。
・消したと思っていてもそこから出火する危険がありますので、 タバコの火をきちんと消す習慣をつけてください。
・外で吸うときは喫煙所を利用して、タバコのポイ捨ては止めましょう。
火遊び
・お子さんに火遊びをさせないよう、ご家庭内でマッチやライターの取り扱い方について、話し合っておくと良いのではないでしょうか。
・近年マッチによる火遊びが多くなっているようです。子どもの手の届かない場所に置いたり、必要なければ家庭内に置かないようにしても良いかもしれません。
・花火など火を使う行為は、子供たちだけで行わせないようにしましょう。
・塗料などに引火して火事になることが多いようですから、近くに引火物がないかをよく確認して使いましょう。
電気製品
・取り扱い説明書をよく読んで正しく使いましょう。
・コードの上にものを乗せたり、痛んだコードを使い続けるのは止めましょう。
・コンセントのたこ足配線は火元となりえるので良くありません。
・コンセントにホコリがたまっていると火事の原因になることがありますから、冷蔵庫やテレビの後ろなど、普段あまり目に付かないところも注意が必要です。
ガス機器
・料理中に他のことをするのは控えて、止むを得ずその場を離れるときは必ず火を消しましょう。
石油機器
・ストーブの付近に燃えやすいものを置かないようにしましょう。
・給油中はストーブの火を必ず消してください。
まとめ
・火災の原因には主に、放火・タバコ・火遊び・ライター・電気機器・ガス機器・石油機器がある
・火災に予防法は原因によって異なるので、取り扱う物品などによってそれぞれ注意することが必要
参考サイト
◆冬に乾燥する理由とは?
◆消防庁による火災の定義 消防署/ホームメイト・リサーチ
◆平成27年版 火災の実態:東京消防庁・電子図書館
◆火災予防の知識・北アルプス広域消防本部