雷というと、夏のイメージがありますよね。ところが、日本海側を中心に冬場にも発生します。冬の雷は夏の雷よりも大きなエネルギーを持っており、大きな被害が生じる恐れもあります。
雷による被害やトラブルは、どのようなものがあるのでしょうか。防ぐためにできることも合わせてお伝えします。
雷の種類
①直撃雷
直撃雷とは、雷が人や物に直撃することを言います。膨大な電圧・電流が加わることから、直撃雷は非常に大きな被害をもたらします。人に直撃した場合はさらに危険で、70%から80%の確率で亡くなるとされています。
②誘導雷
誘導雷は、雷による放電や直撃雷の影響により、周囲の電線・アンテナ・電話線などに大きな電圧や電流が発生することを言います。誘導雷が電線などから流れ込んでくると、電子機器や電化製品などに大きな被害をもたらすことがあります。
③逆流雷
逆流雷は、地面や他の建物などに落雷した際に、電圧や電流が接地面を伝わって建物や電化製品などに逆流してくることを言います。
雷による被害やトラブルと予防法
①人的被害
雷は高いところに落ちる性質があります。周囲に高い建物や何もない場所では、雷が人に直撃するリスクが高くなります。グラウンド、ゴルフ場、浜辺、堤防などは特に注意が必要です。
雷が鳴り始めたら、すぐに建物の中に避難をしましょう。近くに建物がない場合は、車などの乗り物の中に避難をします(オープンカーは不可)。近くに建物や乗り物がない場合は、できる限り身を低くしてください。近くに今いる場所よりも低い場所がある場合は、身を低くしたままその場所まで移動します。
雷は尖ったもの・金属製のものに落ちる性質があります。ゴルフクラブ・釣り竿・傘などは危険なため、すぐに手放すようにしましょう。
木の側へ避難する行為は安全なイメージがありますが、木に雷が落ちたときに、枝・幹・地面などを伝わって感電するリスクがあります。最低でも2メートル以上は離れるようにしましょう。
②電化製品への被害
誘導雷が電線や電話線を伝って電化製品や精密機器に流れ込むと、ショートして壊れることがあります。また、ショートした電化製品から火が吹き出した場合、そのまま火災につながる恐れもあります。雷が近づいてきているときは電化製品・精密機器の使用を中止し、電源を切ってコンセントを抜いておくようにしましょう。
雷から電化製品を守るために、雷ガード付きのコンセントタップなどが発売されています。雷ガード付きのコンセントタップを導入しておくと、外出していてコンセントを抜くことができないときでも安心です。
③停電による被害
雷が電線などに落ちると、停電が発生することがあります。停電が起こると、電化製品が使えなくなります。マンションに住んでいる場合は、電気を使って水道設備を動かしているため、停電に続いて一時的な断水が起こることもあります。突然の停電に対応できるように、日頃から食料や水の備蓄をしておくようにしましょう。
真夏や真冬の停電は、熱中症や冷えによる体調不良を起こすことがあります。季節に応じた備えを行っておくことも意識してください。
④天気予報をこまめにチェックしよう
気象庁は、雷による被害が発生する恐れがある場合、雷注意報を発表し、注意を呼び掛けています。このような情報を入手することで、建物の中に避難をする・コンセントを抜くなどの対策を、事前にとることができるようになります。天気予報をこまめにチェックし、リスク回避の行動につなげましょう。
まとめ
・雷が直撃すると、高い確率で命のリスクがある
・電化製品や精密機器が壊れる被害にも注意が必要
・雷が鳴り始めたら、建物や車の中に避難をする
・避難できる場所がないときは身を低くする
・電化製品はコンセントを抜く
・雷ガード付きのコンセントタップも効果的
・停電への備えや、天気予報のチェックもしよう