年度が改まり、新入生歓迎会や新入社員歓迎会が開かれるシーズンとなりました。歓迎会をきっかけに、先輩・後輩が打ち解けることを期待している方も多いのではないでしょうか。
歓迎会は親睦を深めることができる一方で、事件・事故が発生しがちです。より良い関係づくりのためにも、今年度始めの飲み会は事故防止にも力を入れてみませんか?
急性アルコール中毒
急性アルコール中毒は、新入生・新入社員歓迎会で起こりがちな事故です。
急性アルコール中毒は、飲酒によって血中のアルコール濃度が高くなり、脳の麻痺状態や昏睡状態を引き起こすことを言います。動悸・眩暈・嘔吐といった症状に始まり、重症化すると呼吸困難・意識障害・脳障害を引き起こします。急性アルコール中毒は死亡事故に発展しやすく、急性アルコール中毒に陥った人が嘔吐物を喉につまらせて窒息死する事故が多発しています。
急性アルコール中毒は、無理な飲酒や体調が悪い時の飲酒によって引き起こされます。歓迎会シーズンは場を盛り上げるために無理な飲酒をしたり、先輩に遠慮してお酒を断れず適量以上の飲酒をしてしまいがちです。急性アルコール中毒を発生させないためにも、歓迎会に参加する人全体が急性アルコール中毒への理解を深め、無理な飲酒を強要しない環境を作ることが必要と言えるでしょう。
お酒が弱い人は自分で自分を守ることも大事です。初めて飲酒をする人や、自分の体質に不安を抱えている人は、アルコールパッチテストを受けて体質を知るようにしましょう。また無理な飲酒を勧められた時は場の空気に流されず、断る勇気を持つことも大事です。
未成年者による飲酒
未成年者が歓迎会に参加する時、本人も周囲の人も「ちょっとくらい飲んでも大丈夫」と考えがちです。ですが未成年者の飲酒は体に様々な悪影響をもたらします。アサヒビールのサイトを参照すると、未成年者の飲酒は次のような悪影響を及ぼすことがわかります。
・脳障害(脳の発達を妨げる)
・性腺機能障害(第二次性徴に必要なホルモンがアルコールによって影響を受ける)
・アルコール依存症を発症しやすくなる
軽い気持ちで行った飲酒が、後々の人生に大きな影響をもたらすことがあるのです。自分の未来のためにも、未成年者は飲酒をしないようにしましょう。
また日本には「未成年者飲酒禁止法」という法律があります。この法律では未成年者の飲酒を止めなかった親権者・監督者は、罰則を受けなければならないことが定められています。法律による罰則の対象とならなくても、過去には未成年に飲酒をさせたことにより社会的制裁を受けたケースがあります。良識ある社会人として、未成年者にお酒をすすめることは止めましょう。
飲酒運転
警察庁統計資料によると、平成28年に起こった飲酒運転による交通事故は3757件・死亡事故は213件にのぼります。死亡事故のうちの約25パーセントは第三者を死亡させています。飲酒運転は自分や同乗者の命だけでなく、無関係な方の命まで奪ってしまう可能性があります。飲酒運転は絶対にやめましょう。
通勤・通学などの移動手段に車を利用している人は、歓迎会後に飲酒運転をしてしまう危険があります。飲酒運転防止のためにも、「家族に迎えにきてもらう」「代行運転を頼む」といった対策を事前に取りましょう。車通勤の人が多い地域では、「歓迎会は駅に近いお店を予約する」「最寄り駅まで送迎があるお店を予約する」「ハンドルキーパーの人を決めておく」といった点に気を配りましょう。飲酒運転撲滅のためには、お互いに気をつけ合うことが必要なのです。
飲酒運転は飲酒をした直後だけ気をつければよいわけではありません。警察庁の発表によると、飲酒を終了してから一定時間を経た後に運転したにもかかわらず、事故を起こしたケースがあることがわかります。翌日車を運転する予定がある時は「遅くまで飲まない」「飲む量を少量にする」といった点を心がけ、翌日までアルコールが残らないようにしましょう。
まとめ
・急性アルコール中毒は新入生・新入社員歓迎会で起こりがちな事故である
・未成年の飲酒は禁止する
・飲酒運転が発生しない環境作りに努める