2016年11月15日午前5時40分頃に東海道新幹線新横浜駅にて新幹線の屋根に登った男性が高圧電線に接触して感電するという事故がありました。
感電で大火傷を負い、24日に息を引き取ったとの事です。
JRではこのような事故を意図的に起こす人が居るとは想定しておらず、事故再発防止策の確立が急がれます。
今回は、高圧電線の危険性と感電事故について調べました。
感電とは
身体の中を電気が流れる
感電が起こる条件としては、電気が入って来る入電部位と電気が出ていく出電部位が存在する事になります。
鳥が感電せずに電線へ留まる事が出来るのは、入電部位が出来ても出電部位が同じ電線となるため、体内を通電しないからです。
入電部位から出電部位へと電気が流れる事で、途中にある体組織が熱傷によるダメージを受けたり筋肉の収縮を起こす事で心停止に繋がったりします。
酷い場合には感電した部位がケロイド状に溶けたり壊死して腐敗していく為、即死を免れたとしても回復出来ずに亡くなるという事も起こります。
電圧が高い場合や水で濡れているといった通電が起こりやすい状況では感電する可能性が高まり、空中放電によって感電する場合もあります。
電流はアンペア数が高いほど体に与えるダメージが大きくなり、特に心臓は影響を受けやすくなります。
簡単な実験として、手回し式発電機に接続したアース線を持った状態で電気を発生させると、鋭い痛みを感じると共に掴んでいる手が離せなくなる事があります。
これは筋肉が電気によって収縮してしまい握る方向に作用するためです。
高圧電線のある場所
鉄道や架線電柱といった身近な存在
日常的に過ごす空間で最も強力な高圧電線と言えるのは鉄道の電線です。
新幹線の場合は2万5000ボルト以上の電圧が掛けられており、非常に危険です。
在来線でも1500ボルトの電圧が掛けられており、触れれば無事では済みません
電柱も身近な高圧電線のひとつで、区間によって異なりますが凡そ6600ボルトの高圧電流が通っています。
通常は触れる危険性はまずありませんが、電気工事によって断線されている場合や災害で電柱が倒れたり、電線が切れてぶら下っているといった時は非常に危険ですので近づかないようにしましょう。
また、感電危険注意の標識がある場所は、高圧電流が付近を流れているという事ですので近寄らないようにし、どうしても近寄る必要がある場合は変圧器といった危険な機器が何処にあるのか施設管理者に教えて貰ってから近づくようにしてください。
事故の防止策と起きた時の対応
近寄らない事が大切
高圧電線による事故を防ぐ為には、近寄らない事が一番です。
切れた電線や壊れた送電設備は感電の危険性があるので電力会社や電気工事士といった専門家に任せるようにしましょう。
コンセントも100ボルト電流によって感電する可能性がある為、掃除などを行う必要がある時は、必ずブレーカーを落として通電しない状態にし、絶縁ゴム手袋などをして作業しましょう。
電気機器の故障などでは専門の業者に依頼する事をオススメします。
万が一感電している人に出くわしたら助けようと直接触らないようにしましょう。
相手に触る事で自分まで感電してしまう危険性があります。
必ずブレーカーを止めたり、絶縁性のあるゴム手袋やゴム長靴で感電しないようにしてから助けましょう。
救急車を呼び、可能であれば心肺蘇生を試みる事は忘れないでください。
高圧電線は日常の傍にありますが、文化的な生活を送る為には必須の存在でもあります。
安全に付き合っていきましょう。
まとめ
・高圧電線による感電は命に直結する事故
・電線や鉄道といった高圧電流が流れる場所は身近にある
・万が一感電の現場に遭遇しても慌てて相手に触らない