空気が乾燥する冬場には、乾燥注意報が発令されることがあります。乾燥注意報は、どんなときに発令されるのでしょうか。気をつけたいことと合わせてお伝えします。
乾燥注意報とは
乾燥注意報は空気が乾燥することにより、災害が発生する恐れが高まったときに発令されます。空気が乾燥することによる災害とは、火災や延焼(火災が起きたときに、火元の建物や場所から次々に広がっていくこと)が当てはまります。
乾燥注意報は、最小湿度と実行湿度という二つの要素により発令されます。乾燥注意報が発令される最小湿度と実行湿度の基準値は地域ごとに異なります。例えば、神奈川県横浜市は、最小湿度35%実効湿度55%を下回ると、乾燥注意報が発令されます。
乾燥注意報は冬場に発令されることが多いです。その理由は、日本の気候や地形と深く関わっています。シベリア大陸から吹き込む冷たい風は、海の上で水蒸気を蓄えて、日本海側に雪を降らせます。雪が降った後は冷たく乾燥した風となり、太平洋側に吹き込んできます。これにより、太平洋側を中心に空気が乾燥しやすくなるのです。
乾燥注意報が発令されたときに気をつけたいこと
乾燥注意報が発令されたときは、火災や火災が広がるリスクが高まっています。火災予防に努めるようにしましょう。
消防庁の調査によると、令和2年の月別火災出火件数は、12月~4月にかけて高い割合で推移しています。冬場は空気の乾燥に加え、暖房器具の使用など火災が起こりやすい状況が整うので、より一層の注意が必要と言えます。
①火の取り扱いに注意
火災予防のためには、火の取り扱いを十分すぎるほど注意しましょう。寒くなると焚火をしたくなりますが、乾燥注意報が出ているときは控えてください。タバコの不始末による火災・延焼にも注意が必要です。タバコの火は確実に消火するようにしましょう。過去にはポイ捨てしたタバコがゴミや落葉に引火し、火災や山火事を引き起こした事例があります。ポイ捨ては絶対にしないこと、確実に消火して持ち帰ることを徹底してください。燃えやすいものの近くに灰皿を置く行為や、寝たばこも絶対にしないようにしましょう。
他にも、料理中の出火に気をつける、裸火の取り扱いを控えるなど、日頃から取り組んでいる火災予防方法を続けてください。
②暖房器具は正しく使用する
冬場は暖房器具が原因の火災が起こりやすくなります。暖房器具は正しく使用しましょう。「暖房器具の近くで洗濯物を干す」「座布団や雑誌を近くに置く」「就寝中の使用」などは火災につながりやすいです。絶対にやめましょう。暖房器具由来の火災というと石油ストーブを想像しますが、電気ストーブ由来の火災も増加しています。その多くが、熱源に布団や座布団などの可燃物が長時間触れることによって発生しています。直接火を使っていないからといって安心するのではなく、常に正しい使用方法を心がけてください。
③不審火対策を行う
放火・不審火による火災も怖いですよね。乾燥している時は瞬く間に燃え広がるリスクもあるので、放火予防に努めることも重要です。
放火対策の基本は、家の周囲に燃えやすい物を置かないことです。段ボール、古新聞、ゴミなどに注意しましょう。車や自転車のカバーが狙われることもあるので、防炎のものを使用しましょう。
ゴミ箱やゴミステーションに放火された事例もあります。ゴミが長時間放置されているとターゲットにされやすくなるので、回収のルールをしっかり守ることで予防していきましょう。
まとめ
・乾燥注意報は、火災や延焼のリスクが高いときに発令される
・乾燥した日は、火の取り扱いに十分に注意する
・暖房器具を使用するときは正しく使い、火災予防に努める
・家の周囲にある可燃物を片付けるなどの不審火対策を取り入れる