食品の保存性を高める為に、お菓子やパンの袋の中には乾燥材が含まれています。
湿気た状態で食べる事が少なくなる事は、美味しく頂くという観点からも非常に素晴らしい事です。
しかし、乾燥材の種類によっては火災になる危険性がある事をご存じでしたか?
今回は、石灰を用いた乾燥材を自然発火させずに安全に扱う方法を調べました。
石灰乾燥材とは
食品の湿気を吸い取り乾燥を保つ
乾燥材に用いられる石灰は、生石灰(せいせっかい)と呼ばれるものです。
これは水分と化合する事で水酸化カルシウム(消石灰)になる化学反応を利用して乾燥材に用いられます。
一定量の水分と化合すると数百℃まで加熱する性質があり、非常食の加熱剤としても利用される事があります。
水酸化カルシウムは肥料として有用な物質なので、家庭で正しく処理が出来るなら石灰乾燥材をリサイクルして利用するのも良いでしょう。
反応後は体積が2倍以上に膨れ上がるのも特徴です。
ただ、水蒸気などに曝され続けるといった環境では不必要な時に高温を発して火災の原因となる可能性があります。
生石灰自体が発火する可能性はありませんが、乾燥材の入れ物は可燃物で出来ている場合もあるので、火種となる危険性があります。
一度に大量の生石灰が反応すると大事故に繋がる可能性がある為、「危険物の規制に関する政令」では500kg以上保管する場合は最寄りの消防署へ届け出る事を定めています。
また、直接人体に触れると水分と反応して炎症を起こしたり呼吸器系を傷つけます。
過去には相手の視覚を失明させる兵器として用いられた事もありました。
万が一、飲み込んでしまったら病院へ行きましょう。
逆に反応後の水酸化カルシウムは食品添加物としても用いられる無害な存在となります。
ただ、水酸化カルシウム水溶液はアルカリ性の為、粘膜が刺激される危険を持つので病院で診て貰うようにしましょう。
安全な扱い方
乾燥した日陰に保管する
乾燥材は食品と共に保管する事が多くなりますが、その時に注意すべきポイントとして乾燥した場所に保管するという事があげられます。
過去に起こった事故には炊飯器の上にある棚で保管していた石灰乾燥材が、炊飯の蒸気と反応して発火に至ったというものがあります。
水に濡れると急激な発熱を起こして火災に繋がる可能性が高まるので、水道の傍などで保管する事は避けましょう。
乾燥能力がまだ残っていれば、靴に入れて乾燥させたり他の食品の保存に用いる事も出来ますが、再利用する場合の注意点も変わりません。
完全に使い切って消石灰となれば安全ですので、肥料に用いたり自治体が指定する方法で捨てるようにしましょう。
乾燥材は身近なところにある存在です。
安全な扱い方を覚えて、日常に役立てていきたいですね。
まとめ
・石灰乾燥材に使われる生石灰は水と反応して加熱する性質がある
・急激に水分を含ませない様に、保管場所には乾燥した場所を選ぶ
・乾燥材として機能が終わった水酸化カルシウムは肥料などに用いられる