災害に備えて日頃から準備はされていますか?
災害の時にどんな事が起こるか予想出来ないと事前に備えることは難しくなります。
9月1日の防災の日は「関東大震災」が起きた日にちなんで定められたものです。
今回は災害の中でも「関東大震災」で起こったことを教訓に「どんな事が起こるのか?」「どの様に備えればいいのか?」について調べてみました。
地震の時はどんな事が起こるの?
関東大震災の被害から学ぼう
関東大震災は1923年9月1日11時58分に発生した東日本大震災以前の震災では最大級のもので、犠牲者は10万5千人にものぼるとされています。
この震災による被害者の多くは火災により亡くなられたとされていますが、それ以外にも様々な要因が犠牲者を増やしてしまいました。
その要因を区分ごとに調べました。
建物の倒壊や土石流による圧死
地震で直接的な被害を出すのが揺れによって生じる建物の崩壊や土石流による被害です。
関東大震災では1万1千人ほどが建物の倒壊によって圧死したとされています。
土石流の被害者は千人ほどと言われています。
土砂によって村が道路と分断され陸の孤島となってしまった場所や、現在は小田原市にある神奈川県の根府川駅では列車ごと駅が土石流に巻き込まれて100人以上の犠牲者を出し、駅があった片浦村は二度目の土石流で大半が埋まってしまいました。
火災による焼死
関東大震災で最も多くの犠牲者を出したのが火災で、都市部で発生する震災では最も恐れられる二次災害になります。
火災の原因は、飲食店や家庭で昼食の支度に用いた火や工場などに保管されていた発火性を持つ薬品が原因だったと言われています。
しかし、一番被害を大きくしたのは避難する人々が持っていた荷物に次々と火が燃え移り、本来なら延焼を防ぐ役割を果たす道路や広場も火災現場となってしまった事です。
荷車が道路で渋滞してしまい、逃げる道をふさいでしまった事も被害を広めてしまいました。
特に現在の東京都墨田区横綱町にあった陸軍本所被服廠跡地という広場には3万人以上の人々が避難していましたが、荷物に飛び移った火が火災旋風となるまで勢いが増し殆どの方が亡くなりました。
火災での被害者は9万人以上となってしまいました。
津波による溺死
東日本大震災では津波による犠牲者が多く、津波の怖さを改めて知ることとなりました。
関東大震災でも千葉県館山市で最大9.3mの津波が記録され、6m級の津波が発生した鎌倉市由比ガ浜では300人ほどが流されて行方不明になっています。
鎌倉震災誌には川を津波が遡った事が記録されており、稲瀬川周辺では江の島電鉄の長谷駅より更に内陸まで津波が押し寄せています。
津波により沿岸部は壊滅的な被害を受けていますが、当時の証言をたどると地震から津波が来るまでに5分以上の時間があった事と鎌倉の沿岸には高台が多くあった事から無事に避難出来た人々の話も残っています。
デマや流言による暴動
関東大震災の際に起きた二次災害としてデマによって発生した外国人への自警団や被災者による暴動が挙げられます。
「外国人が放火している」「井戸に毒を投げ込んでいる」というデマが流され警察・軍隊やマスコミも情報に踊らされるという事態が発生しました。
デマに乗じて外国人を保護していた警察署が襲撃された「本庄事件」や、外国人に間違えられた地方の人が殺害された「福田村事件」、政治団体や自警団のメンバーが軍隊と衝突して殺害される「亀戸事件」といった大きな事件が立て続けに起こる原因となりました。
地震の被害からどの様に身を守ればいいのか?
関東大震災で起きた被害は、地震による直接的な建物の倒壊被害や揺れによって起きた津波の被害という自然に起きる「一次災害」と、火災による被害やデマによる暴動といった人為的な「二次災害」に区別できます。
では、このような災害から身を守るにはどのようにすれば良いのでしょうか?
1. 建物の倒壊や土石流から逃れる為には?
まず、地震が発生したらすぐに机の下など頑丈な物の下へ隠れる事が大切です。
そして地震が収まっても油断をせずに建物や崖の下といった危険な場所から離れましょう。
関東大震災でも続いて起こった余震によって崩れた建物や、土砂崩れの発生が報告されています。
2. 火災から身を守る為には?
逃げる時の荷物を最小限として、学校の校庭など広い場所に避難しましょう。
自宅から避難する時は火元の確認と電源のブレーカーを落として、火災が起こらないように気を付けましょう。
関東大震災では地震発生後しばらくしてから起きた火災も確認されていて、火元の後始末がしっかり出来ていなかった事が原因と考えられています。
3. 津波から身を守る為には?
地震が発生したら沿岸部からは速やかに離れるようにしましょう。
津波が遡ってくる事があるので、川の傍にいる場合もすぐに離れましょう。
高台に避難する時は近所で出来るだけ高い場所を目指しましょう。昔からある神社やお寺を目印にすると良いでしょう。
4. デマや流言から身を守るには?
情報をしっかり確認出来る様に、避難所でラジオやネットの情報を共有して冷静に判断できるようにしましょう。
集団で行動する事はデマによって発生した暴動から身を守る事にもなります。
警察や消防、自衛隊も正しい情報を入手できるように心がけているので、通報する時は事実だけを伝えるようにしましょう。
例えば、津波の後に人が何人も倒れている場面に出くわして消防へ通報する場合は「津波で何人も人が倒れている」と話すのではなく「沢山の人が倒れている」と見たままの事を話してください。
津波が原因ではなく、もしかしたら避難してきて疲労により倒れているのかもしれません。
原因によって救急隊の対応も変わるので、事前に間違った情報が入ると治療法を間違えてしまう可能性があります。
十分注意しましょう。
災害から身を守るには正しい判断を適切なタイミングで行える事が大切になります。
過去にどういったことが起きたかを知ることにより、いざという時に正しい行動ができるようしっかりとシュミレーションしておくことが第一歩です。
まとめ
- 9月1日は防災の日ですが、関東大震災が起こった日でもある
- 関東大震災では、地震の揺れによる建物の倒壊や土砂崩れ、火災、津波、デマによる暴動が起きた
- 震災から身を守るにはそれぞれ適切に判断して行動しなければいけない
参考サイト
- 内閣府 報告書(1923 関東大震災)
- 1923年大正関東地震による津波