傘による事故に注意しましょう。なかでもジャンプ式折りたたみ傘に関する事故は、過去に重篤なケガをした事例があるので、より注意が必要です。複数件の事故が報告されていることから、厚生労働省でも注意喚起を行っています。ジャンプ式折りたたみ傘による事故事例を見ると、傘の手元が飛び出して顔に当たったことによる事故が目立ちます。
傘は生活の中で身近に使われるものですが、使い方によっては凶器になります。大きな事故になる前に、傘による事故の実態を知り、安全対策を講じましょう。
今回は、傘による事故について詳しくご紹介いたします。
傘に関する事故の実態と対策
傘に関する様々な事故が発生しています。
どのような事故が発生しているのか、事故事例と対策を見ていきましょう。
ジャンプ式折りたたみ傘による事故
ジャンプ式折りたたみ傘とは、開閉ボタンを押して傘を開いたり傘本体が閉じたりする製品です。強力なバネが内臓されています。現在までに、当該製品による事故が複数件発生しています。
2014年以降に寄せられた危害・危険情報は13件です。治療に1ヶ月以上要した事例も発生しています。
では、事故事例をいくつか見ていきましょう。2018年の事故事例では、ジャンプ式折りたたみ傘の手元を押し込んだつもりで手を離したところ、手元が勢いよく飛び出し眼球を直撃したというケースが確認されています。これにより50代女性の視力が低下しました。
他にも飛び出した手元が口元に当たったことで前歯が折れ、唇を縫うケガを負う事故や、目に当たり出血したケース等も発生しています。
事故事例を見ると、ジャンプ式折りたたみ傘の威力がお分かりいただけるのではないでしょうか。手元が飛び出した時の衝撃力をテストしたところ、当該製品の中には厚さ約4mmのガラス板を破砕する程の威力を持つものがありました。もし顔に当たればどれほどの衝撃となるのか、想像に容易いでしょう。
ジャンプ式折りたたみ傘には、傘を使用する際は顔や身体から離さなければならない旨の取り扱い上の注意が表示されています。ケガを防ぐ為にも、手元を収納する時は傘の手元が顔や身体に当たらないように注意しましょう。万が一飛び出してもケガをしないように傘を横向きに持ったり、きちんとロックすることが大切です。
また今後、折りたたみ傘を購入する時は、途中で手を離しても手元が飛び出さないような
飛び出し防止機能がついた製品を選ぶといいでしょう。
傘で身体を突かれた事故
駅の階段で、前の人が持つ傘で身体を突かれたという事故が発生しています。傘を横に持つと、後ろの人の顔や首、胸等に当たる危険性があります。ケンカといったトラブルが発生するリスクも高まります。
傘の横持ちは重大な事故につながる恐れがあるので、気を付けましょう。もし怪我を負わせてしまった場合は、損害賠償請求されることもあります。
子どもに教えたい安全な傘の使い方
子どもに安全な傘の使い方を教えましょう。雨の日は視界が悪くなり、周囲の状況を把握しにくいからです。
傘を使う際、注意したいポイントは次の通りです。
・足元だけではなく顔をあげて先を見て歩く
・前が見えるように傘をさす
・雨の日は特に自転車や車が来ていないか確認する
・傘をさした状態で友達と並んで歩かない
雨の日の事故を防ぐ為にも、傘の正しい使い方を子どもに教えましょう。視野を広く持つことが事故防止になるのです。
まとめ
・ジャンプ式折りたたみ傘に関する事故では治療に1ヶ月以上要した事例が発生している
・ジャンプ式折りたたみ傘には強力なバネが内臓されている
・駅の階段で身体を傘でつかれる事故が発生している
・傘の横持ちは重大な事故につながる恐れがある
・傘をさす時は視界を広く持つことを子どもに教える