火災のリスクに備え、消火器を設置している家庭も多いのではないでしょうか。消火器は使う機会がないからこそ点検や管理が不十分になりがちです。いざというときに使用できないということがないようにするためにも、消火器の点検を行い、火災への予防意識を高めましょう。
消火器の点検が必要な理由
消火器は火災が起こった際の初期消火に役立ちます。ところが、使用期限が過ぎた消火器や劣化や傷などがある消火器は、いざというときに正常に作動しないことがあり、初期消火の遅れにつながることがあります。
また古い消火器や劣化した消火器は、破損や破裂の恐れがあります。使用時にケガなどをしないためにも、日頃から点検し、いつでも安全に使える状態にしておくことが大切なのです。
消火器の点検方法
使用期限の確認
一般家庭で備えている消火器は「住宅用消火器」と呼ばれ、使用期限は概ね5年程度です。製品によって異なるため、本体に表示されている製造年月日や使用期限を確認し、正確な情報に基づいて点検を行ってください。
使用期限を過ぎた消火器は正常に作動しない恐れがあります。破棄・買い替えを行ってください。
外観の確認
外観の確認では、傷や劣化している箇所がないかどうか調べます。容器・ラベル・キャップ部分は、さび・変形・腐食などがないか確認します。レバーやホース部分は、変形やひび割れがないかどうかも合わせて確認します。
安全栓(黄色いキャップの部分)が外れている場合は注意が必要です。この状態でレバー部分に触れると、薬剤が散布されてしまいます。外れている場合は速やかに破棄してください。安全栓がはまっている場合でも、封が切れている場合・封が劣化している場合は、破棄の対象となります。
指示圧力計は割れなどの破損がないかチェックし、指示針(圧力を指示する針のこと)が緑色の部分を示していることを確認しましょう。
傾けてみる
正常な消火器は、本体を傾けるとさらさらと音がします。音がしないものは中の薬剤が固まっている可能性があります。外観に劣化などがなくても買い替えてください。
点検のタイミング
消火器の点検は忘れてしまいがちなので、タイミングを定めて実践するようにしましょう。点検は少なくとも半年に1度のサイクルで行います。その他にも、「非常用持ち出し袋の確認と同じタイミングで行う」など、他の防災設備と合わせて点検を行うとよいでしょう。
消火器を破棄する方法
消火器は法律により、家庭用のゴミとして処分することはできません。以下の方法で破棄を行いましょう。
一般的には「特定窓口」に処分を依頼する方法や、「特定窓口」または「指定取引場所」に自ら持ち込む方法があります。最寄りの「特定窓口」や「指定取引場所」は、消火器リサイクル推進センターホームページの「リサイクル窓口検索」で調べることができます。
エコサイクルセンターでは、郵送による消火器の回収を行っています。詳しい方法は、ホームページに記載されています。
新しい消火器を購入する際に、古い消火器の処分を同時に行うケースがあります。買い替える際は、処分を同時に行ってくれる業者から購入することも検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
・一般家庭で使用される消火器の使用期限は5年程度
・使用期限を過ぎたものは破棄・交換する
・容器、レバー、ホース部分に変形や劣化がないか確認する
・安全栓や指示圧力計の点検を行う
・消火器を破棄する場合は、指定の方法で行う