「火災」は、言うまでもなくおそろしいものです。人の財物を飲みこみ、人の生命さえも危険にさらす恐ろしい災害です。江戸時代などは特にこの火災・火事が恐れられていましたが、令和の世でもそれはかわりありません。
今回はその恐ろしい火災を事前に防ぐための手助けとなる「火災報知器」について取り上げます。
火災報知器については、法律でその設置が定められています
火災報知器の設置は、消防法によって定められています。2006年以降の新築住宅ではこの火災報知器の設置が義務とされていますし、既存住宅においても2011年以降は設置することが義務付けられました。
この火災報知器の設置は、「自動火災報知器設備」と「住宅火災警報器」に大別されます。
前者は、一定規模を超える事業所(ホテルやレストランなど)が取り付けるもので、建物全体に音が響きます。対して後者は、個人の住宅を対象としたものです。
今回は、主に後者についてとりあげます。
火災報知器を取り付けなければならない箇所は、「寝室と階段」です。しかし自治体によっては、それ以外のところへの設置を義務付けているところもあります。特に火を使うことになる台所においては、これがあった方が安心でしょう。
実は、取り付けていなくても罰則はない
このように設置が義務付けられているものですが、実は、たとえ火災報知器が取り付けられていなかったとしても、それで罰則が下ることはありません。
また新築物件においてはこの防災機器の設置内容を記す必要がありますが、すでに建っている住宅の場合は「設置したこと」を届け出る必要はありません。
加えて、スプリンクラーなどが設置されているマンションにおいては、住宅火災警報器を設置する義務がないという問題もあります(例外はあります)。
このような問題はあるものの、現在の火災報知器の設置率は極めて高く、総務省が発表したデータによれば、令和2年7月1日現在での「住宅用火災警報器の設置率」は82.6パーセントに上ります。前年は82.3パーセントでしたし、それより前は80パーセントを割ることもありましたから、徐々に、しかし着実に設置率は上がっていっているといえるでしょう。
まとめ
・火災報知器は人命や財物を守るためにある
・現在は、設置が義務付けられている
・罰則はないものの、普及率は約83パーセントと高い
参考サイト
◆総務省「住宅用火災警報器の設置率等の調査結果(令和2年7月1日時点)」
◆イクラ不動産「火災警報器の設置は義務なの?罰則規定はあるの?」
◆消防庁「火災警報器設備等に関する主な規定について」